旅と物語展

i-ppoたおか 田岡正臣 経堂 東京 テディベア ワークショップ
こんな感じで展示してます。

ホームページのNEWSでお伝えした通り、225日より、2週間、311日まで、経堂の「パクチーハウス東京」店内壁面にて、作品を展示させてもらっています。

テーマは旅での体験と、旅先で出会う動物たちで、「旅と物語展」として、展示しました。

飲食店での展示は、昨年4月に、下北沢の「カフェ音倉」に展示して依頼、約10ケ月ぶりです。

今回は、テキスタイルデザイナーのApplina(アップリーナ。村田倫子)さんとのコラボレーションとなります。

Applinaさんが、イラストを、僕は動物人形(紙粘土+和紙+羊毛シート)を展示しています。

昨日26日は、オーナーの佐谷恭氏が主宰する「東京シャルソン2017」(※)のパーティがこの「パクチーハウス東京」で開催され、僕とApplinaさんも参加し、展示会の宣伝もさせて頂きました。

50人を超える人に作品を観てもらい、沢山感想も聞かせていただき、有り難いことに、今後開催予定の、ワークショップの参加希望者まで現れました。

なにしろ「パクチーハウス東京」は、1カ月先まで予約が埋まっている、超人気店ですから、これから毎日満席で、大勢の人に観てもらえることを想像すると、有り難い限りです。

ただし、店内に入れるのは、予約した方のみとなり、このブログを読んで、行ってみたいと思われた方に、なかなかおいでいただけないのが残念です。

(一部に立ち飲み席があり、ここは予約の必要はないのですが、行ってみないことには、空いてるかどうか、わかりません。)

 

村田倫子さんのホームページ applina.jimdo.com  インスタグラム applinaart 

 

※シャルソンとは、

  自分で決めたルートを自分のペースで走り、報告会の乾杯時間までにゴールすればOKという“自由過ぎる”ランニングイベントです。一日を通じて得られる、ひとりひとりの特別な体験をもちよってさらに楽しく広げるためにパーティでシェアします。普通のレースで一番重視されている「タイム」を気にしないこと、「距離」を気にしないことが特徴。それから、走らなくても(バスや電車に乗っても)、途中でお酒を飲んでも良く、とにかく「楽しむ」ことが第一とされています。

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Kelly pousetteについて

久々に、好きな作家シリーズの登場です。

今回は、Kelly pousette(ケリー ポーセット?読み方不明)のことを、ご紹介します。

好きと言っても、数年、数十年来というのではなく、つい数か月前に偶然に、instagramで出会った作家で、カナダのバンクーバ育ち、現在は原始の森と氷河に包まれたノーザンブリティッシュコロンビア州在住のようです。

Instagramのフォロワー数は約18万人で、まさに有名芸能人なみです。

Kpousetteillustration」という名称で作家活動しており、インスタグラムのプロフィールでは、llustrator and story book writerとなっています。ネットで検索しても、日本文での紹介は殆どなくで、英文でも、SNS(、instagrampinterestが中心)関連の情報が大半で、どのような活動をしている方か、全貌をつかめないでいます。

その作品世界は、是非ネットで画像検索してチェックしていただきたいのですが、彼女の愛するカナダの雪に覆われた自然と動物をモチーフにしています。

イラストと、ペーパークラフトの合体で、立体的な表現を試みていますが、絵柄が、そのクラフト手法にマッチしており、独特の愛らしい幻想的な世界を作っています。

後ろから光を当てた写真が多く、作品中に、あらかじめ意図的に陰を作ることを前提として制作されているようです。ああ、こんな表現手段があったのか、と驚かされました。

しかし、この人の本当の魅力は、絵の表現力です。

キツネが特にモチーフとして好んで用いられているのですが、このキツネ達の魅力にノックアウトされました。

背景は、殆ど森の中で、単純化された、しかし美しいフォルムの森の中に、動物たちが登場します。色彩も極力押さられ、それが一層、作品の美しさを引き立てています。

一連の作品をネットで観ていると、何か物語があるようで、story book writerと書いてあることから、絵本作家ではないか、と推測しています。

ああ、実物の作品を是非見てみたい、と思わせる作家です。

 

もし、Kelly pousetteさんについて、詳しい情報をお持ちの方がいらっしゃったら、是非お教え願いたいな、と思います。

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国風展に行く

会場風景
会場風景

先日、東京都美術館で開催された盆栽展「第91回国風盆栽展」に行ってきました。

国風展は、数ある盆栽展の中でも、最も歴史のある、格調高い盆栽展です。

僕も、盆栽について殆ど知識はありませんが、日本固有の伝統芸術である盆栽から、何か創作のヒントを得られないかと思い、友人を誘っていってみたのですが、有り難いことに、大いに感動できたので、少し感想を書かせていただきます。

そもそも、自分も含め、盆栽は、一般の人にとって偏見に満ちた存在です。

映画やドラマでは、広大な庭で、難しい顔をした老人が、盆栽に挟みを入れているところに、子供が投げたボールが飛んで鉢が割れる、というシーンを何故か思い出します。

資産家の老人の趣味、というのが一般的なイメージではないでしょうか?

確かに観に来ているひとの大半は、中年以降の方々で、若者の姿があるとしたら、外国人です。

しかし、この盆栽展の印象は、圧巻のひとこと。何度もため息をつき、立ちつくすほど感激しました。

おそらく、美術展2回分ぐらいの感動があったのではないでしょうか。

盆栽は自然の樹木を鉢の中に凝縮して表現したものですが、自分が縮小し、鉢の中に入っていくことを想像すると、不思議な感慨があります。

柿やリンゴの実さえ、縮小して成っていたのには驚愕しました。

いったいどれだけの手間暇がかかっているのか。どれほどの遠大な計画の上の結果なのか。

なにしろ、この素晴らしい芸術品は、生き物だから成長するのです。しかもこの作品は、人間より長生きする。だから、育て上げた作品は、次の世代に引き継ぐそうです。

極力無駄を排して、自分の思う方向に、気の遠くなるような年月をかけ、植物を思う方向に単純化して伸ばしていく。

いったい誰がこんなことを考え出したのか。なんだか縮小し、単純化するところが、俳句や短歌の世界に通じるものがありすね。詳しい知識がないので、直感で言うのですが、華道や茶道にも通じるところがあるのでしょうか?

 

今回、直接的なヒントは得られませんでしたが、創作の世界には、今まで想像もしなかった様々なアプローチがあることを思い知らされ、思い込みで凝り固まっていたら、斬新なアイデアは出ないな、と痛感しました。

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材料の管理

i-ppoたおか 田岡正臣 経堂 東京 ナマケモノ イラスト
ほのぼの親子

色々な素材を使用して新たな制作手法を試すのが好きだ、ということは何度も書いてきました。

モヘア(テディベア)、陶芸、樹脂粘土やフェルト、レジン、キャンドルなど、現在進行形で、色々な素材を使っています。

これはこれでとても楽しく、新しい素材に挑戦することで、創作意欲もわいてくるのですが、材料の管理がとても大変です。

自分が選んだ創作ジャンルを一筋に追求していく人は、このような問題は生じないのでしょうが、自分の性分として、常に新しいことに手を出したい、というのがあり、今後もずっとこの状態が続くと思います。

面白い素材があると、とりあえず買っておくのですが、買ったことさえすっかり忘れ、半年、ひどいときには、1年後くらいに、ひょっこり出てきて、ああ、こんなものを買っていたのか、と思うことさえ多々あります。

とにかく、抱えている材料の種類が多いので、何がどれだけあるか把握されておらず、大切な材料が突然切れることも度々あるので、なんとかしなければ、と思っています。

いや、それどころか、ないと思って買いに行ったところ、後日、思わぬところに買いだめしたものがあったのを発見した、という時は、本当に悔しい思いをします。

広い倉庫でも持っていれば別ですが、保管場所の確保も困りますしね。

作品の在庫管理もあり、せめて材料の在庫は必要最低限に抑えたい、というのが本音です。

いつかは、自宅に陶芸用の窯を買いたいと思っているのですが、場所も取るので、その前に、この在庫問題を解決する必要があります。

一旦置く場所を決めたら変えないで、Aという材料は、必ず、ここにある、とするのが一番良い方法と思いますが、何しろハンドメイドの材料は小さいものが多く、ジャンル別に分けていても、すぐに一箇所に色々なものを保管するようになり、探し物が見つからない状態に陥ります。時々、展示会で、他の作家さんに、「こんなに色々手を出して、材料の管理はどうしているのですか。」と聞かれますが、返答のしようがありません。

いったい、材料が多い人は、どのような管理をしているのでしょうか。

是非教えていただきたいものです。

もっとも、制作範囲を狭めて、材料を絞れば、この問題は直ちに解決するのですが(それが出来ないんですよね。)。

 

 

知名度と作品の魅力

i-ppoたおか 田岡正臣 経堂 東京 陶芸 ネコ
カンガルーネコ

 絵を観るのは好きですが、美術展でも、巨匠と言われる人の作品は、感動を押し付けてくるというか、良いと思わない方が間違っている、という雰囲気があります。

誰の絵を好きなろうが、良いと思おうが、自由だろう、と言いたくなります。

具体的な名前は挙げませんが、世界美術全集に入っている巨匠でも、感動を覚えない画家の方が多いような気がします(お前が絵を理解していないからだ、と言われそうですが。)

 大体、作品の本質的な魅力など、極端に変わるわけではないのに、伊藤若冲などは、海外で評価されてから、日本で人気が出てきた訳で、知名度が上がると、確実に良いという人が増えてきます(個人的は、若冲は好きな方ですが。)。

「時代が追いついた」という言い方もありますが、本当でしょうか。

 ハンドメイドの世界でも、有名作家の作品は、なんとなく、実際の、作品の魅力以上に評価されているような気がします。

賞を取ったから、テレビやマスコミで紹介されたからといって、作品の魅力が増すわけではないのに、何故かFANが増えていきます。

 ここからは、僕の妄想の世界になりますが、作者の名を伏せた時と、作者の名前を明らかにした時、さらには、作者の経歴も付けた時を比較すると、作品の評価は相当変わって来るのでは、と思います。

展示会、展覧会などで、作者の名前を伏して、大勢の人に見てもらったとき、おそらく、作品の評価は相当バラバラになり、一人のところに大勢の評価が集まることは、少なくなるような気がします。観る人、一人一人の個性が違うように、好きな作品作家も、相当バラけるはずだ、と妄想しています。

何か、作品が本来持っている魅力の本質とはかけ離れた部分で、特定の作品、作家の評価・評判が決まっていくような気がしてなりません。

 オリジナリティが高い作品が好きだ、と何度も書いていますが、僕は、絵に関して言えば、巨匠の作品展よりも、巷の画廊で開催されている、無名作家の作品展の方が感動することが多いです。

ネットで、無名作家の作品を検索し、自分好みの作家を「発見」することも好きです。

 ハンドメイドの展示会でも、人だかりが少なく、殆ど注目されていないようなブースで、自分が感動できる作品に出会えたときは、本当に嬉しいものです。

 

 周囲の評価に翻弄されていては、自分が好きな作品・作家は発見できないのではないか、自分が心底好きと思える作品に出会えないのでは、と密かに思っています(ここに書いた時点で、秘かではなくなっていますが。)。

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PAXCworking

今日のコワーキング風景
今日のコワーキング風景

今回は、僕がアトリエ兼ワークショップの場として使用している、コワーキングの、「PAX Coworking」についてご紹介します。

コワーキングというのは、共同のワークスペースのことで、フリーランスの人は、ご存知でしょうが、僕は一昨年まで、「コワーキング」の存在を知りませんでした。

公務員であった頃、ハンドメイド作家になろうと決めた時点で、自宅以外に創作の場が必要であることを痛感していました。

なにしろ、自己管理能力がないので、自宅をメインの創作場所にすると、ダラダラとすることがほぼ、確実視できたので、真剣に探しました。

ネットで調べたところ、共同のワークスペース=コワーキングがあることを知り、自宅がある経堂に近い、新宿、渋谷、下北沢中心に候補に挙げ、実際に56カ所回ってみました。

使用料、通いやすさ、雰囲気、広さ、使いやすさ等々、色々な角度から検討しましたが、どれも、自分にとっては何かが欠けていました。

決定的だったのが、デスクを広く使えないこと。自分の場合、道具や材料を広げるので、最低二人分のデスクスペースを使うのですが、大抵のコワーキングで、原則無理と言われました。

最後に残ったのが、下北沢の「レインボー倉庫」で、アート活動をする人をターゲットとした、ワーキングスペースでした。ここは、たっぷりとスペースが使えるようでした。

作家仲間が出来るというメリットもとても魅力に思えて、ここを使いたい、と思ったのですが、使用料が遥かに予算を超えていました。

もう諦めかけていた頃、経堂に「PAX Coworking」があることを知り、早速尋ねたところ、たまたまオーナーの佐谷恭氏(この方は、かの有名な「パクチーハウス東京」のオーナーでもあります。)がいらっしゃって、説明を聞いて、自分の思う条件がすべて満たされていることを知り、その場で利用することを決めました。

しかも、その後の話し合いで、ワークショップを開催する際は、他のメンバーの了解を得て、スペースを空けてもらっています。

メンバーには、様々な業種の方がいます。創作関係は、僕以外にデザイナーがひとり。その後、暫くして知ったのですが、「PAX Coworking」が日本で最初のコワーキングなのだそうです。

佐谷氏も「PAX Coworking」を仕事で使用しており、身近にいるので色々なことを気軽に訊けること、広いスペースを使えること(勿論空いていればですが)、何よりアットホームな雰囲気であること、が有り難く、こんなコワーキングは他にないだろう、と思いました。

しかし、その後、他の「PAX Coworking」のメンバーに聞いたところ、都心を離れた、あちこちに、アットホームなコワーキングは存在するようです。

 

 創作の活動場所にお困りの方、ご自宅の周辺で探してみては?

プロと作家の違い

i-ppoたおか 田岡正臣 経堂 ネコ イラスト
誰にも渡さない

友人から聞いた話。

友人は公務員ですが、お父さんがプロのデザイナーで、そのお父さんが良く言っていたセリフが次のようなものだったといいます。

「作家とプロは違う。作家は自分の思うままに、自分の世界観を表現する人で、それで食べていけるかどうかは別問題である。プロは、クライアント、お客の要望に応えることが出来ないといけない。かつ、その道で得られる収入で、家族を養えなければならない。自分は家族を養うために、作家の道は断念し、プロに徹した。食えない作家は、しょせんアマチュアだ。」

この話を聞いた時、頭をガツンとやられた感じがしました。

自分は、プロと作家の違いを、曖昧にしていたので、彼のお父さんの悲痛な決意を思い、やはり、どの道も、プロの道は甘くないな、と思いました。

おそらく、10代、20代の若者は、様々なジャンルの、自分の進む道で、将来の夢を描きます。

特に、写真を含めたアートの世界を目指す人は、仕事で自分の世界観を表現できる、というのが、最大の理由でしょう。

ところが、ごく一部の、卓越した才能で、時代に愛された人以外、自分の世界観を表現すればするほど食えない、ということになります。

勿論、この事実には気づいていましたが、食えない人=しょせんアマチュア、ということは思ってもいなかったので、「アートだけで4~5百万円稼げない人は、アマチュアという定義もあるのか(一人の田舎暮らしなら、もう少し収入が少なくてもいいのでしょうが、まあ世間相場なら、4~5百万でしょう。)」と気づき、ショックを感じたのです。

でも、つらつら考えれば、世間一般の考えは、「食えて初めてプロ」というのは、ごく当たり前のこと、プロの反対概念はアマチュアというのも、当たり前のこと。

何度も書いていますが、今は創作をする人にとって、発表や販売の場が沢山あります。

人形やぬいぐるみ、テディベアの作家で、教室経営は除いて、それだけで食べていける人は、一体どれだけいるのか。以前通っていたテディベアの教室では、テディベアだけで食べている人は、日本に5人もいないだろう、と言っていました。

うーん、ということは、狭い市場で、プロでない人達が、しのぎを削っているということか?

いや、人形やぬいぐるみの人気作家で、自分のことをアマチュアだと思っている人は一人もいない(と思う。)はず。

 

そこで結論。世間的には、食えてこそのプロだとしても、当人がそれに全エネルギーを注いで、全生涯を賭けていれば、その人にプロの称号を与えたい、と思います。

言葉に拘る必要はないのですが、世間がどういおうと、他に仕事を持ちながら、創作をメインとして活動している人たちは、プロに違いない。

 

これは舞台俳優や、ミュージシャンも同じですよね。

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