さようならヌイブックス

もう、この素敵なお店はないんです。
もう、この素敵なお店はないんです。

昨年の秋から作品を常設で置かせていただいていた、小田急線豪徳寺駅前の素敵な本屋兼雑貨屋さん「ヌイブックス」が急遽518日に閉店となりました。

昨年の「グラスハープ」に続き、2年連続で自分がかかわったお店が閉店したのは、とても残念です。

作品は、有難いことに、店内の雰囲気にぴったりだったようで、お客さん(特に小さいお子さん)の評判も上々で、毎月何点か売り上げがあったのですが、店主の池谷さんが思うほどには、全体として、店を続けていくほどの売り上げがなかったのでしょうか・・・。

昨日(25日)、作品の回収に訪ねたところ、もう本や雑貨はすっかり片付けられており、お店の中はガランとしていました。

お店はいつも夢に溢れていて、キラキラと輝いていたので、さぞかし寂しさが充満しているかと思ったのですが、店主の池谷さんは、凛として、むしろ清々しささえ感じました。

もう、次の働き先も決まっているとのこと。

以前、本が大好きで、一生本と付き合っていく、とおっしゃっていましたが、にこやかに「本屋さんに勤務する」と言われました。

ああ、この人の人生はブレないんだな、と思いました。

思えば、殆どの人は、夢を持たないか、持ったとしても実行に移さないで終わることを思えば、短い間とはいえ、勇気を振り絞って、オーナーとして店の経営に携わることが出来たのです。

ふと、以前いたコワーキングスペースのメンバーで、10代で北海道から出てきて、20代後半まで、バンド活動(メジャーレーベルからCDも出したそうです。)をして、今は仕出し弁当の会社を経営している人を思い出しました。

彼は、一度、思いっきり夢を追いかけたので、もう「人生に悔いはない」、と言っていたのですが、その言葉を思い出しました。

僕にも道半ばの夢が二つばかりありますが、途中退場しても、池谷さんや彼のように、爽やかな笑顔で退場できればな、と思います。

 

 

お店までわざわざ足を運んで頂いた方、本当にありがとうございました。

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達成感と充実感

i-ppoたおか 田岡正臣 下高井戸 東京 テディベア 杉並
ちょっと怒ってます?

展示会などで、作品を観て頂いたお客さんに言われて最も嬉しいのは、「見ているだけで楽しくなる」といわれることですが、それと同じくらい嬉しいのが「作っていて楽しいでしょう」といわれることです。

よく、仕事の達成感が、やり甲斐につながるといわれますが、個人的には、この達成感という言葉、かなり胡散臭いと思っています。

長い間、勤め人として仕事をしてきましたが、常に節目、節目の達成感はありました。

でも、残念ながら、今この瞬間、瞬間に満足している、という充足感、充実感は、今より少なかったように思います。

面白いことに、どんなに嫌な事、イヤイヤやったことでも、完成したり、終了したりした時点で達成感があります。

懲罰や拷問として、掘った穴をまた埋める、という行為を繰り返しやらせる、というのがありますが、穴を掘るだけなら、この穴は、きっと何かの役に立つ、と思えれば、埋め終わった後には達成感があると思います。

そんな視点でみれば、「やり甲斐」という言葉は、僕にとって、かなり胡散臭いもので、誰かに強制された面白いと感じない仕事でも、普通に、達成感=やり甲斐は感じるからです。

冒頭に書きましたが、僕は創作している間は、生みの苦しみもありますが、大抵は、楽しんで作っていますので、その瞬間の充足感・満足度はとても高いと思っています。

食事に例えれば、充実感なら、一口ごとに味わって食べること、達成感なら、食べ終わってから、「ああ美味しいものが食べられた」ということだと思うのですが、この差は、ものすごく大きいと思いませんか。

食べた物自体のおいしさに違いはありませんが、その行為(この例えの場合、食べるという行為)自体に喜びを感じてるいかどうかで、時間の密度は相当変わってきます。

人から依頼を受け、一定のテーマに沿って作る行為も、面白いことは面白いのですが、自分で、自主的に、自由に、思いのままに作る行為が一番楽しいのは、作る「行為」事態を楽しんでいるからに違いありません。

すべの作品について、そのように心底楽しんで作っている訳ではありませんが、少なくとも、楽しんで作った作品は、制作し終わった時点で、完結しています。

人からの依頼によるもの、売れることを強く意識して作ったもの、これらは、売れるまでは、完結しないような気がします。

 

 

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創作の醍醐味

i-ppoたおか 田岡正臣 下高井戸 東京 テディベア 杉並
ずらり勢揃い

このブログを見て頂いている方の多くは、ご自分でも何かを創作しているのではないでしょうか。

創作をするのは、本当に「楽しい」ですよね。

でも、創作行為の、どの部分が楽しいか、というと、これは人によって大きく異なるように思います。

創っている最中が楽しいのは当たり前ですが、僕自身一番楽しいのは、何を作ろうか、どんな風に創ろうかと、あれこれ考えている時です。

実際の形になる方が少なく、アイデアだけで終わるものの方が多いのですが、この段階では、失敗するとか、思い通りにいかないでガッカリするとか、ネガティブなことは発生しないので、もうひたすらワクワクするだけです。

例えれば、旅行前に、あれこれプランを練っているようなものでしょうか。

これの良いところは、電車の中、風呂の中、それこそ、至る所で出来ること。

何か、嫌なことがあっても、次の作品のことを考えれば、(考えている間は)すっかりわすれることができる、というメリットもあります。

創作中で、楽しいのは、初めて試みる行為です。

試行錯誤しながら、自分の思う通りに出来たら、本当に楽しいです。

新しい素材、新しい形、色、モチーフ、もう書いているだけでワクワクします。

とても人気があった自分の作品を、ほぼ同じように再現する(滅多にありませんが、人に依頼されたらやる場合もあります。)のは、あまり楽しくも、面白くもありません。

少なくとも、前回うまくいかなかった、思い通りにいかなかった部分を改善する行為がないと、楽しくないですね(前作とは別のものが出来ますが。)。

でも、これはあくまで僕個人のことで、作る行為なら、なんでも楽しい、という人もいますので、作り手としては、この境地が一番お得ではないでしょうか。

創った作品を人に見てもらい、感想を頂くのも楽しいですね。

こうやって、今書いたものを読み返すと、本当に「創る」ことに出会えて、有難いなあ、と思います。

何か創り始めようかと、思っている方、今日からでも始めてください。

人生が、うんと楽しくなることをお約束します。

 

 

 

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ギャラリー「コルメキッサ」

ギャラリー内
ギャラリー内

 

オーナーの坂本さんから声をかけて頂き、作品を出展させて頂いているギャラリー「コルメキッサ」に先日行ってきました。

場所は、東急田園都市線青葉台駅から、徒歩10分のところ。

ビルの4階にあります。

マンションをギャラリーとして使用しているので、靴を脱いで上がります。

160cm位はある展示スペースは、写真の通り、洗練された家具のあちらこちらに作品が並べられており、独特の雰囲気を醸し出しています。

今回は、426日から55日までの間、「ROMANKAN展」という企画展が開催されており、スペース一杯に、50人ばかりの作家さんの作品が展示されていました。

展示されている作品は、オーナーの坂本さんがチョイスしたものであり、統一された世界観のもとに、とても個性的でチャーミングな作品が集められており、自分の作品が選ばれたことを光栄に思いました。

自分が制作している、動物の人形/ぬいぐるみのジャンルだけでなく、球体関節人形や、絵画、イラスト、アンティークなど、幅広いジャンルの作品が集められているのですが、どれも同じテイストが感じられ、オーナーのセンスの良さが感じられました。服飾のセレクトショップにもなっており、ビンテージ感の強い、一点ものの、服も並べられていました。

実は、今回オーナーからオーダーのあった作品だけでなく、他にも数点、自分でチョイスした作品を展示させてもらったのですが、自分で選んだものは、その場にあまりに不似合いであり、自主的に回収させてもらいました(自主回収は初めての経験です)。

コルメキッサに並べられた、作品群の8割は、自分の好きな世界観(通常の展示会なら、好きな作品が2割程度)であり、今後作る作品のどれをコルメキッサに並べても、違和感のないようにしたいな、と思いました。

お店の雰囲気は、Twitter@kolmekissaa)で見るとよくわかりますよ。

 

コルメキッサ

 

神奈川県横浜市青葉区つつじが丘36-7 経隆ビル 4F