放置する

i-ppoたおか 田岡正臣 下高井戸 東京 テディベア 杉並
野うさぎです。

自分の作品が、他人の眼にどう写るか判断するのは、とても難しいことです。

誰もが、作品制作にのめり込み、のめり込むほどに客観的判断が難しくなります。

かつて絵を日常的に描いていたころ、自分の作品を一歩離れた視点でみるために、しばらく放置する、という方法をとっていました。

具体的には、8割くらい完成したところで筆を止めて、部屋の片隅に立てかけておきます。

外出して、家から帰った時、無防備な状態で、ふと絵に目をやると、最初の数秒(場合によっては瞬間)、ある程度客観的な視点で、自分の描いた絵を、鑑賞することが出来ました。

これは、例を挙げると、街中で、無防備で歩いている時、不意にガラス張りのビルを通過する際に、自分の姿が鏡に映った時の感じです。

大抵の場合、相当無様な自分の姿(これが本来の自分の客観的姿らしいのですが。)が映っており、誰しも、いや自分はもっとマシ、もう少しカッコいいはずだ、と思うのではないでしょうか。

実は、誰しも、家で鏡を見る場合、自分の都合の良い風に、脳が瞬時に補正しているらしいのです(服を買う時に、ショップに映る自分の姿も同様)。

なので、もう一度戻ってガラス張りの壁に自分を映すと、今度はしっかりと脳が補正してくれるので、「さっきの姿は、見間違いだった」と解釈し、ホッとする訳です(時々スマホの写メで、突然自撮りモードになった時も、瞬間とっても情けない自分の姿が映りますが・・・・(トホホ)。

現在も、この方法を使って、ある程度、作品の補正をしています。

アトリエのあちこちに当分の間、自分の作品を放置しておきますが、見ようとして観た場合でなく、ふと無防備に目に映った瞬間「あれ、なんか〇〇がおかしい」「おや、〇〇が不自然に大きい(小さい)」「バランスが悪い」と気づきます。

この方法は、同じ作品に対して何度でも、繰り返し、確認できますが、ある程度繰り返すと、客観的な視点が働かなくなるようです(でも、1年ぶりに、また、ふと見ると、また他人の眼で見ることが出来るのですが。不思議なものです。)

気になる方は、是非お試しください。