作る喜び

ネズミに化けてみました。
ネズミに化けてみました。

そもそも、ハンドメイドをやっているのは、作るのが好きだからです。

ああ、自分は作ることが好きなんだなあ、と思える瞬間のためにやっている、といっても過言ではありません。

 

しかしながら、「好きを仕事にすると、思ったほどには楽しくない」というのも、よく言われることです。心理学によると、何かを行動に移す動機には、「内発的動機」と「外発的動機」の二種類があるそうです。

外発的動機は、「お金」「地位」「名誉」等自分の外側にあるもので、内発的動機は、自分の内側から湧き出てくるものです。

 

アメリカで行われた心理学の実験で、学生を2グループに分けて、パズルを解いてもらったそうです。一つのグループには、ただパズルをやってもらうだけで、もうひとつのグループには、パズルが解けたら報酬を与えたそうです。

結果は、報酬を与えたグループでは、実験が終わった後にパズルをやる人は殆どいなくて、ただパズルをやっていたグループでは、続けてやった人が数多く出たそうです。

純粋にパズルを楽しんだか、お金のためにやったかで結果が違ってきたのでしょうか。

 

一昨年の4月~5月、初めての緊急事態宣言が出たとき、教室も休み、しばらくはイベント開催のあてもなかったため、全く売ることを考えず、ただひたすら新しいものを作り続けたのですが、やはり直近では、この時期が一番作る楽しみを味わえたときです。

 

ハンドメイド作家の中には、生活費を稼ぐために作っている人もいるでしょう(念のために言っておきますが、好きなことを職業にするのを否定しているわけではありません。)。

自分は生活費のために作ってはいませんが、売りたい気持ちが先行すると、楽しさより、圧迫感や焦りが多くなります。

 

「もっと知名度を上げたい」「あの人より売れるようになりたい」「在庫をゼロにしたい」と思う程に、作る喜びを犠牲にしている部分があります。

世の中には、「好きなものを、好きなときに、好きなように」作って、それが結果として売れている、幸せな作家もいますが、自分にはとうてい無理です。

 

 

これは本音ですが、作る喜びを犠牲にしすぎないで、作品が在庫過多にならない程度に、ホドホドに売れてくれるのが一番かな、と思っています。

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色彩センスについて

春を飛び越して夏になったねえ
春を飛び越して夏になったねえ

ぬいぐるみ、テディベアに限っての話ですが、制作する上で、形(フォルム、造形)、質感(素材)色彩のどれが大切かと言うと、個人的には圧倒的に形だと思います。

 

質感は、質の良い高価な素材を選べば大きな外れはないし、色彩は、原色を避けて同色系統でまとめれば、無難な仕上がりになりますが、形だけは、誰かの模倣でないオリジナルなものは一番難しいし、他人と差がつく、個性を発揮できる部分だと思います。

 

しかしながら、素晴らしい色彩センスで、オリジナリティを発揮している方もいます。

自分はどうかというと、(以前にも書きましたが、)男性より女性の方が、圧倒的に色彩センスは良いと思いますが、男性の中では、自分はマシな方だという自負はあります。

でも、女性の中に混じると凡庸かな、と思います。

 

センスの良い女性は、補色、さし色の使い方がとても上手です。まあ、普段から服装やアクセサリーで鍛えているのでしょうが、色の配分がとても上手い。小物を使うにしても、色をよく考えて使っています。

素材を選ぶのも、どうやら色彩センスと連動しており、色彩センスの良い方は、素材選びも上手なように思います。

質感と色彩は切り離せないところがあり、色彩に鈍感な人は、場違いな素材を選んでも平気なようです。

と、なにやら偉そうに書きましたが、岡目八目といいますが、他人のことは多少わかっても、自分のことは、あまりわからないのです。

 

しばらく月日をおいて、自分の作品を客観的に見たときに、(自分にしては)色使いがうまいな、と思ったことが、殆どないことで、自分の色彩センスが凡庸であることは間違いないようです。

では、色彩センスは鍛えれば伸びるでしょうか。

 

ネットで検索すれば「伸びる」という意見が大半ですが、生地を自分で染めることで、多少は鍛えられていれば良いのですが・・。

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オリジナルに正解はない

最近僕たち太り気味
最近僕たち太り気味

教室で、メンバーの方に指導・アドバイスしている際に「どうすればいいか」と訪ねられた場合、極力「(あなたが求める方法に近づけるために)自分だったらこうする」という答え方をしています。

 

また、僕の考えに疑問を持った場合、違うと思った場合は、従う必要はないことも、重ね重ね言及しています。

メンバーの方は、bestの方法を求めて、正解は何かと訪ねている時があることはわかるのですが、各人が目指すオリジナルな作品は、各々目指す方法が違うので、「こうしなければならない」という決まりはない、というのが僕の考えです。

それ故、各人がどのようなオリジナル作品を目指すのかは、早い段階から把握しようと努めています。

 

 もちろん、型紙の制作手法、見た目に綺麗な縫い方、効率的な染色の方法、等、技術的なことには、当然正解がありますが、これも個人の性格によって、ふたつ以上の正解がある場合もあります(手法にも向き不向きがあるということでしょうか。)。

 

絵画教室の作品展を観ると、主催者の作品に似た絵がずらっと並んでいる場合がありますが、自分としては、そういう方向にいかないよう極力注意しています。

(ただし、スタンダードなテディベアを作る教室では、伝統的な手法を学びますので、

「こうした方が良い」という決まりごとはあると思います。)

 

メンバーの中には、僕の作品のテイストに似た方もいますが、これはたまたま目指すところが、僕の方向性と似通っていただけで、大半の方はそれぞれ目指す方向が違います。

 

例外的に、できる限り本物の動物に似たリアルなものを作りたい、という場合は、「本物」というお手本があるので、進める方法・方向性に正解があるとは思いますが。

 

 

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スペシャル企画を終えて

この6点でした。
この6点でした。

先月、1年がかりで制作した「スペシャル企画」がやっと終了しました。

受注点数は208点で、キャンセル2名、完成のメールに返事がなかった方が3名、海外の方で入金方法がなかった方が1名、計6名以外すべて完成品を送り届けることが出来ました。

 

昨年の3月に、InstagramTwitter上で、6点の作品のサンプルを掲載し、注文があった順から、制作していくつもりでした。

応募期間は10日間で、それ以前のネット販売の抽選応募倍率から推測して、100点位は受注があるのかな、と思っていたところ、2日目の夜に200点を超えて、慌てて受注を締め切った次第です(嬉しい悲鳴です。)。

 

注文できなかった方にはご迷惑をおかけしたのですが、受注された方に対しては、なんとか1年で制作を終わらせることが出来て、ホッとしています。

 

完成が100点を少し超えた辺りで、もうこんな企画は二度とごめんだ、と思ったのですが、今は、受注点数を減らして、再度挑戦する気になってきました。

申込者は、東京から離れた場所の方が多く、この企画がなければ殆どの人とご縁がなかったかと思うと、やった甲斐はあったな、と今になって思います。

とにかく、大勢の方から感謝のメールも頂いて、買って頂いた自分としては恐縮するばかりですが、心底感激もしました。

 

同じものを大量に作ることで、綿の詰め方、目鼻立ちの決め方についても、学ぶことは多かったです。

それまでは、1点ごとにすべて違うことを基本に作っていましたので、毎回同じ綿の詰め方、目鼻立ちの決め方は職人的な技が必要だと言うことを理解しました。

 

次のスペシャル企画はいつになるかわかりませんが、遅くとも今年中には取りかかりたい、と思っています。

 

その時はどうぞよろしくお願いします。

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