勉強やスポーツに限らず、創作にもスランプはつきものです。
おそらく創作を趣味や仕事にしている人の誰かが、この瞬間にもどこかでスランプで苦しんでいることでしょう。
ChatGPTにスランプの脱出方法を聞くと、ずらりと、なるほどと思う回答が返ってくるのですが、わかっちゃいるけど止まらない、というのがスランプです。
周囲の友人や、過去の自分の経験から、他の人が書いたブログやChatGPTの回答にないことで、役に立つことがないかと考え、まとめてみました。
1深く深呼吸する。
スランプの原因のひとつにあれこれ余計なことを考えてしまう、というのがあると思います。創作に入る前に、何も考えないで3~5分程度深く深呼吸(できれば腹式呼吸)すると
頭がすっきりして、創作に専念できると思います。
2過去の自分の作品を眺めてみる。
これは結構効果があると思います。Instagramをやっている人は、最近のものではなく、ずっと昔の作品をさかのぼってみてください。
意外といい仕事してきたな、と思えたらしめたものです。
すっかり忘れていた作品から、なにか大きなヒントが得られることがあります。
3一定期間他人の作品を鑑賞しない。
2とは逆に、他人の作品を一定期間一切干渉しないという方法もあります。大体スランプの時は自信を無くしているので、他人の作品を観ると良いところばかりが目立ち、一層落ち込みます。
4森林を目指して遠方にでかける。
これもかなり効果があると思います。小さな公園ではなく、森林を思わせる大きな公園で、
ゆっくり散歩し、数時間ボーと過ごせば、かなりリフレッシュしますよ。
僕は代々木公園や砧公園に行きました。旅行にいく余裕のある人は、環境がガラリと変わる土地や海外にでもいけば、完全にリセットできるような気がします(僕は試していないので、あくまで想像上の話ですが。)。
先日、長野在住のぬいぐるみ作家笹岡氏(rebear)が、長野市内にアトリエを開設されたので、ぬいぐるみ作家仲間である関西在住の大御所佐藤氏(テディパパ)、僕のご近所の坂井氏(雅太郎玩具店)の男性3人で遊びに行ってきました。
佐藤さんは、前日ワンデイレッスン開講で東京に来られており、ハードスケジュールにもかかわらず東京から長野までご一緒しました。
アトリエは善光寺の近くにあり、周囲は緑が多く、おしゃれなカフェが点在するとてもうらやましい場所に位置していました。
ビルの3階にあり、入り口はグリーンのドアで、とてもおしゃれな雰囲気。
アトリエ・ギャラリーの名称は「SOW」です。
入ったところがギャラリーになっており、1日6,000円(キャンペーン価格)で展示会、個展、教室開催、写真撮影等(状況によって、1時間1,000円で借りることもできます)自由に使用できます。
広さは7畳で、窓が大きく、開放的です。
ギャラリーの奥、白いドア(このドアはなんと笹岡氏のお手製です。)の向こうがアトリエです。
アトリエは広いスペースで、作業しやすいように色々と工夫されていました。
作業台、テーブルなどはすべてお手製だそうです。
物作りは、アトリエがあるとないとでは、作業効率が全く異なるので、これからは、笹岡さんの創作効率が向上し、ドンドン新作が登場すると思います。
将来的には、この場所でぬいぐるみ教室も開催する予定とのこと。
当日は4人でぬいぐるみ談義をして、とても貴重な情報交換の時間を持つことが出来ました。
アトリエ・ギャラリーの所在地は長野市南長野県町477-11 サポートビル3階。
ギャラリーに興味のある方は、電話予約のうえで、ご見学ください。
TEL 090-1829-8199 (10:00~17:00)
久々に、3回目の創作便利ツールの紹介です。
1 手芸用アイロン。
アイロンは、パナソニックの普通サイズアイロンを長らく使っていたのですが、大きくて、重くて、かさばるので、いざ使うときに面倒くさくなり、生地に多少皴がよっていても「まあいいか」となり、登場シーンは少なかったのですが、今回紹介するクローバーのパッチワーク用アイロンは、小さい(全長16cm)軽い(440g)かさばらないと3拍子揃っていて、かつ性能は普通サイズのアイロンに引けをとらない優れものです。
手芸用に特化した工夫があちこちにされており、使ってみると優秀さがわかります。
これを購入してからは気楽にアイロンを使えるようになりました。
また、ケース(別売)があり、これはケースを広げるとミニアイロン台になるというおまけつきです。ケースも併せて買うことをお勧めします。
以前ユザワヤで10cmサイズのミニミニアイロンを買ったのですが、温度設定ができない、なかなか熱くならない、というしろもので、殆ど使い物になりませんでした。
2糸通し器
教室の生徒さんが購入したものを使わせてもらって、あまりに簡単に針に糸が通ることがわかり、感動して思わず買ってしまったものです。
糸を通すのに困っていない方には不要なツールですが、これがあると快適に糸通しができます。クローバーとカワグチから出ていて、僕はカワグチの方を買いました。針と糸を入れて、中央のボタンを押すだけで、針に糸が通ります。
ただ、注意点が一点あり、針によっては通らないので、色々持っている針で試してみる必要があります。
小さくて、穴が小さい針を使う方には便利なツールだと思います。
3ミシン用糸通し。
ミシンの糸通しが得意という方はいないと思います。いろいろな糸通しを使いましたが、この写真の糸通しはシンプルですが、実に使い勝手が良く、今までのなかでは最高です。
久々にドールアニマルワールドフェスティバル出展の感想を書きます。
今回も大盛況でした。
前回にもまして、ぬいぐるみのブースが増えていたように思います(実質的にはアニマル系がドール系を上回っていたのでは?)羊毛フェルトやあみぐるみ、木工作品、陶器作品も出展され、観ていて、とても楽しいイベントです。
運営で最も変わった点は、先行入場のチケットがネットで事前販売されたこと。
そして、お客さんは、開始前に先行チケットに記載された順に買いたい作品があるブースの前に並ぶのですが、(ここまでは前回通りですが)販売直前に主催者が抽選で番号を発表しました(今後この番号は毎回変わります。)。
今回は(確か)180番?でしたが、この番号より若い番号が先頭に来て、1~179番の番号で並んでいた人たちが後列に回りました。つまり、180番を境に前後の列が入れ替わる訳です。僕のブースでは188番の人が先頭になりました。
これにより、若い番号を買っても意味がないということになり、一部のバイヤーの若い番号の買い占めを防止するわけです。
最初この方法を聞いたとき、果たしてうまくいくのかドキドキでしたが、全館内に聞こえるマイクで、日本語中国語で放送していただいたため、大きなトラブルもなく先行入場の販売が終了したようです。
このスタイルにより、今まで変えなかった人も買えるようになって、大変すばらしい施策だと思いました。
主催者は大変なご苦労をされたと思います。この場を借りて深く感謝したいと思います。
ドールアニマルは出展者にもお客さんにとっても魅力的なイベントですが、特に近年出展したい人が増え、出展も一部抽選になっています。
願わくば、もう少し広い会場に移り、一人でも多くの方が出店できるようになれば、さらに良いなと思っています(例えばビックサイト)。
創作において、技術とセンス(才能と言い換えてもいい)のどちらが大切でしょうか。
正解と思うことを先に書けば、ジャンルによって違う、と思います。
大体において、技術は人を感心させますが、センスは人を感動させます。
絵画なら、圧倒的に技術よりセンスが大切でしょうが、経験上、陶芸やレザークラフトなら、センスより技術が優先されると思います。
もちろんどちらも大切なのですが、自分がかかわっているジャンルで、どちらが優先されるのか知っておいた方がいいと思います。
また、同じジャンルでも、作風によって、技術とセンスのバランスが違ってきます。
例えば羊毛フェルトの場合、本物そっくりに作ろうとすると、技術力が要求されますが、自身の世界観を表現するなら、センスが要求されます。
ぬいぐるみの場合、型紙制作は技術ですが、どのような型紙をつくるかはセンスの問題です(技術が追い付かないため、作りたいぬいぐるみを作れない、という問題は常にありますが。)。
残酷なことに、技術は磨けば磨くほど向上しますが、センスは生まれつきの部分も大きいのではないでしょうか。
ただ、教室で大勢の生徒さんを指導していて気づいたことですが、本人が持ち合わせているセンスにも大抵の場合、数種類あり、本人が気づいていないものも多々あります(岡目八目という言葉の通り、傍で観ている方が気づきやすい。かなり時が経過してから本人が気づくことも多い。)。
以前、ある著名な陶芸家のワンデイレッスンを受けたとき、その方が言うには、長らく不遇の時代が続き、ある時ふと戯れに作風を変えて展示会に出展したところ、そこから急激に売れるようになったようです。
その方の以前の作風は技術的に高いレベルに到達していたのですが、やや崩して、遊んでいるような作風にしてから売れるようになったのです(但し、高い技術力があったからこそ、崩しても魅力があったと言えるかもしれません。)。
技術はセンスを活かすためのものです。教室で、「早くうまく作れるようになりたい」という方には、「素敵な作品を作れるようになりましょう」とアドバイスしています。
今回も自分のことは棚に上げて書きたいことを書きます。
ハンドメイド作家の宿命として、誰しもが、既存作家の影響を受けています。
どんなジャンルの創作物でも誰の影響も受けていないという人がいたら、自分の作品を客観的に観察できない人かな、と思います。
影響といっても、上っ面だけをまねた、いわゆる「模倣(コピー)」と、自分になりに昇華した「応用」に分かれると思います。
コピーについては、過去何度か書いていますので、今回は自分が思う応用について書いてみます。
創作はジャンルを問わず、意識するか無意識下に関わらず、殆どの人が、他の作品から影響を受けているので、全くのオリジナリティというのはあり得ないと思います。
これを前提とした上で、己のオリジナリティを確立するために必要なのは、今の自分の作風・土台の上に、感銘を受けた他の作家のオリジナリティを応用することだと思います。
「このアイデア・個性を自分だったらどう表現するか」とまず考える発想がないと、他人の優れた部分を真似(初心者に多い)するだけになってしまうと思います。
またそのためには、自分の現時点でのオリジナリティは何かを良く理解しており、自分自身を大切にするスタンスが必要ではないでしょうか。
この姿勢さえ忘れなければ、個人的には他から影響を受けることは決して悪いことではない、と考えています。むしろ積極的に、外部の作品を自分の作品として昇華していけばいいと思います。
特に他のジャンル(例えばぬいぐるみなら絵画や編みぐるみ、陶人形等などから)からのアイデアを自分のジャンルに落とし込めるなら、これに越したことはないな、と思います。
まれに、器用な人で、色々な人の影響を作品ごとに受けており、それぞれ「〇〇さん風」「△△さん風」になっている人がいます。コピーではないのですが、微妙に作風が違っており、一体何をやろうとしているのか、どこを目指しているのか、見ている方を戸惑わせます。
器用貧乏ゆえに、陥ってしまう落とし穴でしょう。
1 トレース台
イラストを描いている人ならだれもが知っているツールかもしれませんが、僕は数か月前まで知らずにいて、偶然ネットで見つけ「こんな便利なものがあったのか」と興奮しながらポチりました。
仕掛けは単純で、台の上にトレースしたいものを置き、その上にトレース(写す)する紙を置き、トレース台の左上電源スイッチを入れると台全体が強く、明るく光ります。
トレースしたいものが影のようにくっきりと写り、鉛筆等でなどると、詳細に書き写せます。僕はA4サイズを購入しました。
型紙の一部を修正、変形させたい時に使っていますが、変更しない部分は、正確にトレースでき、変更したい部分を書き足していきます。
これを使う前は、トレーシングペーパーを使っていたのですが、今一つはっきり写らないことが多く、イライラしながらトレースしていたのですが、これを使うことで、実に快適にトレースできるようになりました。
2 スケッチフレーム
これは水彩画を描いていた20年前に入手し、今では教室のレッスンで大活躍しています。
どういうときに使うかというと、ぬいぐるみの左右上下のバランスを取りたい個所に、このフレームを当てて、バランス調整します。
僕自身は多少左右上下のバランスが多少崩れていた方が面白いと思うのですが、人によってはバランスよく、正確にきっちり制作したいという方も結構いて、その時にこのツールが登場します。
もう少し大きいものを買おうとネットで探したのですが、正確な名称がわからず、現在は写真の通り自作したものか、格子模様の入った下敷きを使っています(「透明 下敷き 方眼」で検索すると出てきます。)が、あまり方眼が細かいとかえって使いにくいことを書き添えておきます。
先週、今話題のゴッホアライブ東京展を観てきました。
没入型展示会というふれこみ、かつ、これまで世界で延べ34万人が観たということで、大変期待して観に行きました。
案内によると、オーストラリアの企画会社が立案したもので、世界中を巡回しており、東京(国内では、名古屋神戸に続いて3番目)は記念すべき100番目の都市にあたるそうです。
暗い通路を歩いていくと、両壁と床に巨大スクリーンでゴッホの絵画が写し出され、クラッシク音楽に合わせて、どんどん絵画が入れ替わっていき、一部ではゴッホの絵画がアニメーションで動きました。
入場料は3,000円とちょっと高めで、かつ平日にもかかわらず、結構沢山の観客が観にきていました(他の展示会と違い、若い人が多かったですね)。
僕自身の正直な感想を言うと、よほどゴッホの絵が大好きか、新しいエンタテインメントが好きでないと、3,000円の価値はないと思いました。
ただ、今まで観たことがないゴッホの(スクリーンに映し出された)絵画も多数あったので、これはこれで、新たな発見があって良かったと思います。
昨年観た、ホックニー展、ソウルライター展にも、今回同様の趣旨のエンタテインメントがあり、最近はこういうスタイルが流行りなのかと思っていましたが、このゴッホアライブが最初なのかもしれません。
但し、上に書いたふたつの展示会は、作品の展示があって、かつ、その付録?としてのエンタテインメントでしたが、今回は、ゴッホの絵を楽しむ気持ちでいったので、消化不良となりました。
絵画鑑賞ではなく、ニューウエイブのエンタテインメントを観に行くつもりで行けば、もうすこし楽しめたかもしれません。
観に行く予定の人は、絵画鑑賞とは別物のショーとして考えれば、結構楽しめると思います。
これから数回にわけて、僕が創作する際に使用している便利ツールを紹介していきます。
なにしろ道具に凝る方なので、万人受けするかどうかわかりませんが、用途も説明していきますので、自分に合いそうなものがあったら試してみて下さい。
1 染料で部分染する際の便利ツール。
ネットで、サードハンドやフレキシブルアームと称して売られている、はんだ付けする際に部品を固定するツールですが、これが部分染めをする際、威力を発揮します。これを使うことで、両手がフリーになるので、かなり細かい作業ができます。
これを使わない場合、左手でぬいぐるみを持ち、右手で染料を塗り、揉んで毛に染み込ませますが、うっかり左手に染料がつくと、染めたくない部分にも広がってしまいます。
このツール(写真)は二台目ですが、一台目は小ぶりでアームも3本しかなく、いまひとつ痒いところに手が届かない感じでしたが、これは背が高く、アームが6本もあるので、大きなぬいぐるみにも使用できるし、360度角度調整ができて、素早く部分染めができます。
ぬいぐるみにアルコールマーカーをペイントする場合も、角度を自由に変えることで、塗り残しがなくなり、重宝しますよ。
2 針ケースと針置き。
手芸店で売られているのでご存じの方も多いと思いますが、お持ちでない方は騙されたと思って使ってみて下さい。これを購入する前は、針山に針を刺して使っていましたが、これらを使うようになって針の選定に迷うことがなくなりました。
針ケースは、磁石になっているので逆さにしても落ちません。針全体が見えているので、太さ長さが一目でわかります。
針置きは、以前は冷蔵庫に張り付けるマグネットクリップを逆さにして使っていたのですが、専用の針置きを購入してその便利さがわかりました。
中央がくぼんでいるので、針を摘まみやすく、さっと取り出せます。また見た目より重量があり、摘まんだ時、台が動かないので、よく考えて作ってあるなと感心させられます(但し、針と針の距離が近いとくっつくので、あまりたくさんの針は置けません。その時にメインに使う針3本までにしています。)。下に針ケースがついています。
僕は針置きに小さい針、小さい針ケースに中サイズの針、大きい針ケースに大きなサイズの針を入れてあるので、針を探す手間が大幅に縮小されました。
今回は、テディベアぬいぐるみにジョイントをセットする際に使用するコッターキーの代用品について解説します。
コッターキーを使ったことがない方にとっては分かりにくい内容になると思いますが、使う機会が出てきたときに、またこのページを御覧ください。
コッターキーは、割りピン(コッターピン)を逆ノの字に曲げるツールですが、うまく曲がらないで元に戻してやり直す時、コッターキーではとても使いにくく、先の細いペンチが必要となります。
写真の左がコッターキー、左から、100均の先細ペンチ、ニードルノーズペンチ、ピンセットノーズペンチ、フィッシングプライヤーになります。
当初100均の先細ペンチを使っていましたが、握りと掴みが甘く、イライラすることが多かったので、次にピンセットノーズペンチ(右から2番目)を買いました。
これは、フジ矢という日本のメーカーが製作している優れもので、なんと先が1mmなので、どこにでも入っていきます。ただ掴みがほんの少し甘いため、時々ブレることがあり、何とかならないものかと思っていました。
次に購入した、3番目のピンセットノーズペンチ(写真中央)は、先にギザギザがあり、がっちりとホールドしてくれるので、ブレることはなくなったのですが、先が1.5mm位あり、痒いところに手が届かないといったところです。
4番目(写真右端)は、フィッシングプライヤーで、釣りをする人はご存じかと思いますが、釣れた魚から、釣り針を外す時のツールです。
これは鉗子のように、フックでホールドしてくれるので、掴みは完璧かつ握りもガッツリと力が入れやすいのですが、残念ながら、先が2mmあり、けっこう入っていかないところがあります。
以上、今のところ、上記3点(すべてAmazonで購入できます。)を使い分けているのが現状ですが、理想的には、先が1mmのフィッシングプライヤーがあれば完璧だと思います。引き続き理想のペンチを探しているところです。
ぬいぐるみ作家であれ、なんの作家であれ、作り手にとってオリジナリティが最も重要である、ということはこのブログでも再三書いてきました。
ただ因果なことに、どこかで見たことがあるような作品を作っていても、すごく人気がある作家さんも大勢います。今回はこの点について思うことを書いてみます。
作風には時流があり、その時に人気の作風というのがある(20年前のぬいぐるみ本を見ればわかると思います。)ため、ここに寄せていけばある程度の人気は出せると思います。
作り手が売るために敢えて時流に寄せたか、好きなものを作っていたら結果として時流に乗っていた、というのでは、かなり差があるように思います。
僕自身は好きなものを作っていたら、結果として〇〇さんに激似していた、というのは、あり得ることだと思っています。無意識レベルで影響を受けていたという可能性もありますが(なので僕自身は国内の人気作家さんの作品はなるべく見ないようにしています。)。
自分の作品にはオリジナリティがある、と自信を持っていますが、実は、今年のファンタニマに出展していたロシアの作家さんに僕の作品が似ている、と観に行ったメンバーの二人から指摘されました。このロシアの作家さんは、僕が過去ファンタニマに初めて出展した時にも出展されていて、久々の出展でしたが、もちろんその方の作風は知っていました。
しかし、僕自身の作風は、それよりずっと前の陶人形時代から変わっていませんので、模倣はしていないという自信はありましたが、この経験から少し考え方が変わりました。
自分の好きを掘り下げていった結果、他の作家さんに激似していても、それはやむを得ない、というのが今の自分の考えです。
とはいっても、Instagram上ではどう贔屓目にみても、模倣(本人が無意識のうちに模倣しているのも含めて)としか言えないような作品が溢れているのが事実です。
これから作る方は、あまり一人の作家さんの作風に入れ込まないほうが良いと思います。
今回はぬいぐるみ制作に使用する糸について書いてみます。
数年前のブログで、ぬいぐるみを縫う糸は40番のキルト用糸であることを書きましたが、これは今も変わりません。50番を使う人も多いようですが、自分は40番が一番しっくりきます。
この40番という数字は糸の太さをいうのですが、ぬいぐるみ制作で使う糸は、太いほうから、5、8、20、30、40、50、60とあります。
このうち、いわゆる目付用糸として使われるのが、5~8番です。
ネットのテディベア用品のサイトで売っている目付用糸は、とても高額なのですが、普通の手芸用糸の5番から8番を選べば、半額以下で買えます。(レザークラフトでは0番も使いますが、ちょっと太すぎますし、1番もかなり太いです。)
皆さんにお勧めしたいのが、ボタン付け糸として売られている20番(30番だとちょっと細い。)。
普通に縫うには太すぎますが、小さいサイズの目付用糸として最適です。色も豊富で10cm以下のサイズにはこれを使用しています。
次のお勧めは、透明の糸。
これはナイロン製で、ダイソーにも売っているのですが、60番しかなく、ぬいぐるみ用としては細すぎます。
アマゾンや楽天で、40番の透明糸が買えます。
この糸のメリットは縫い目が目立たないこと。色の違う生地を縫い合わせるときに使います。
余禄として、仕上がりが良いので、急に縫うのが上手になったように感じます。
ただ、使用感に引っ張られるような癖があって、合わない人には使えないでしょう。この点が気にならなければ、教室のメンバーでも、透明糸だけ使う、という人がいます。
最後におまけ情報です。
磁石のクリップを裏返して針置き(針山)に使うと、針を探すことが激減し、とても便利です。
100均にも、専用の磁石式針置きが色々と売っていますが、いったん使うと、なくてはならないツールになります。
普段使用している手芸用ハサミについて書いてみたいと思います。
写真の5種類が普段使用しているハサミですが、主として使っているのは左の3本です。
教室では、初日に訪れたメンバーの方に、この3本を使っていただいて、一番気に入ったものを購入してもらっています。
教室での一番人気は、左端のクローバー製の11.5cmのカットバサミです。
次は同じくらいの人気で、左から3番目のツバィリング製(ドイツ)の11cmのカットバサミと、左から2番目のクローバー製10.5cmカットバサミですが、手の小さい人は10.5cmを選ぶ傾向にあります。
この3点はどれも素晴らしく、先が尖っているので、繊細なカットができます。
僕の個人的好みは、クローバー11.5cm>クローバー10.5cm>ツバィリングですが、その差はごくわずかです。ツバィリングが一番好きという人も結構います。
最初に購入したのが、テディベア教室で購入したツバィリングですが、購入して10年以上経過していますが、切れ味は衰えていません。
さて、残りの2点ですが、右から2番目はツバィリングの13cmスーパーフェクションクラッシックです。5本の中でも最高に切れ味が良いのですが、刃が他の3本より太いので、繊細なカーブを切るには向いていないため、直線と緩やかな曲線をザクザク切るときに使います。
一番右は、刃先がごく細で、先端がカーブしています。(Beaditive台湾製)。細かく毛先をカットしたり、縫った糸を切ったりと、微細な作業に重宝しています。
最後におまけ情報として、シザーキューブをご紹介します。Amazonで「シザーキューブ」と検索すると沢山の種類が出てきます。美容師がご用達のようです。
いわゆるハサミ立てで、ハサミを入れると、どの箇所にでも垂直に立つので、とても便利ですよ。
これからハンドメイドイベントに出展しようとしている方、出展の経験はあるが、毎回何を準備すればいいか迷う方のために、今回は僕の経験上、イベントに必要な必需品・備品類の一覧をご紹介します。
1 作品~いちばん大切なものですが、複数の箱に入れる場合、最後に、必ず箱の個数と中身を再チェックしましょう。自分は一度過去の出展で箱を一個忘れたことがあります
2 値札の予備~ 途中で取れたり、値段の間違いに気づいたとき予備があると助かります。
3 入館証~ イベント参加の際の入館証明書。
4 文具類~ ポールペン、はさみ、マジック、セロテープ。
5 領収書
6 名刺~うっかり忘れがち。
7 釣銭~ 銀行での両替は有料なので、早目に、かつ多めに用意しておくこと。
8 テーブルクロス~ テーブルと全面をすべて覆いつくせるもの。
9 プレート~自分のブランド名が入ったもの。
11 作品を入れる袋類~ 十分すぎる数を用意しておくこと。過去足りなくなったことがあります。
10 棚類~作品を見栄え良く展示するための棚や飾り。コンパクトに折りたためるものが理想。棚類が多い場合、別にリストを作っておくことをお勧めします。
あると便利なもの
1 メジャー 隣の人との境界線を図るのに便利
2 ガムテープ
3 釣銭を入れるポーチ(肌身離さず持っておくため)
4 ゴミ袋 30L以上の大きなもの。あると片づけに便利。
5 電卓
※作品さえ忘れなければあとは何とかなりそうですが、周囲に迷惑をかけないためにも、備えあれば憂いなしです。
自分がぬいぐるみを制作する際に使う生地は、主としてモヘアとレーヨン、時々ウールです。たまにシルク、アルパカも使いますが、特にお気に入りなのが起毛レーヨンです。
小さいサイズは、殆どレーヨンです。
ご承知の人も多いと思いますが、レーヨンの原料はパルプなので、一応天然素材です。
風合いはモヘアに劣りますが、レーヨンのメリットは、染めやすいところにあります。
また、薄い生地が多いので、小さなぬいぐるみ制作にとても適しています。
ロシアのぬいぐるみ作家が好きなビスコースの実体はレーヨンですが、海外でテディベア用ビスコースとして販売されているものは、一定の加工が施されており、毛足がペタっと寝て独特の風合いがあります。
元々レーヨンはシルクの風合いを人工的に作ろうとして生み出されたものなので、高品質なレーヨンほどシルクに似ています。
毛足の長短、毛の密度、毛の質などにより様々な種類があるのですが、ぬいぐるみを制作する側から見た唯一の欠点は、レーヨンをぬいぐるみの生地として使用する人が少ないため、欲しい生地が、欲しいときに手に入りにくい、というところです。
日暮里でも、定番商品としては起毛レーヨンを扱っていません。
僕は、今まで主に日暮里のアウトレットやスポットで白生地が出た時に購入してきました。
ネットでも、起毛レーヨンを定番商品として扱っているサイトはとても少なく、あっても種類が少なく高額であったり、最小単位が1mであったりと、趣味でぬいぐるみを制作する人にとっては扱いにくい生地でした。
しかし、今回書籍「へんてこ動物ぬいぐるみ」でレーヨン生地を使って制作していることもあり、読者の皆様にも是非レーヨン生地を使って欲しいと思い、サイトに交渉したところ、なんと岡田織物様のご協力により、30cm単位で、3種類の起毛レーヨン生地が買えることになりました。この機会に是非レーヨン生地をお試しください。
※ ぬいぐるみへの具体的な使い方は、ホームページの「へんてこ動物ぬいぐるみ情報」をご覧ください。
(今後、予告なしに岡田織物さんのサイトで販売中止にしなる可能性もあるので、ご注意ください。)
※ 岡田織物HP https://okadatx.shop-pro.jp/
2023年7月10日、全国の書店にioppoたおか著「へんてこ動物ぬいぐるみ」が並びます。
このブログをアップした現在、既にamazonや楽天で予約が出来ます。
昨年の6月に出版が決まり、7月から約1年かけて完成にこぎつけることが出来ました。
全96Pで、僕の作品達と、制作技法が掲載されています。
制作技法は、生地の染め方、オジリナルの目玉の作り方、トイスケルトンの使い方など、幅広く掲載されています。
動物の種類は、クマ、ネコ、キツネ、ゾウ、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、いろんな鳥達などです。
型紙は原物大のものが13点、テディベアスタイルの5ジョイントも数多く掲載しました。小さい子はチビチビシリーズのカラス・スズメなども掲載していますよ。
出版元は、過去数多くのぬいぐるみ本をヒットさせている誠文堂新光社さんです。
ラッキーなことに、素晴らしい編集担当者、デザイナー、スタイリスト、カメラマン、等々に恵まれて、とってもおしゃれで雰囲気のある本に仕上がっています。
掲載される子達の写真は、InstagramやTwitterで6月後半から7月初旬にかけて、随時紹介していきます。
掲載作品は、TUTAYA代官山店で7月6日から20日にかけて展示販売(一部非売品)されます。詳しくはTUTAYAのホームページをご覧ください。
どうぞよろしくお願いします。
前回の「ぬいぐるみと鉗子」はお陰様で、大変好評で、大勢の方に読んでいただきました。今回もツールの情報を公開することで、皆さんのお役に立てればと思い、目打ちに関して書いてみました。
目打ちは、布を押さえたり、穴を空けたりするツールとして裁縫には欠かせませんが、僕は、いわゆる目打ち以外にも、沢山の関連ツールを活用しています。
写真が現在僕が布を押さえたり穴を空けたりするツールとして使用しているものです。
右から順に、軸が太い順に並べています。
一番右が、普通「目打ち」と呼ばれるものですが、今となっては、これだけでは、総てのシーンに充分な対応ができません。なければないで済んでしまうのでしょうが、この中のひとつでも無くしたら、また買い足すと思います。
標準的な目打ちは、まず長さが足りません。
左から3番目が、一般的に「千枚通し」といわれるもので、100均でも販売されています。
細く深く穴を空けたいときは、これを使用します。「目打ち」と「千枚通し」があれば、普通7~8割は対応できますので、教室に来られた初心者の方には、この二つを購入するようお勧めしています。
しかし、個人的にはこの二つでは痒いところに手が届かないので、さらに太さと長さが違うものを揃えています。
右から2番目の青い柄はいわゆる「錐(キリ)」で、千枚通しより太さがあり、工具売り場で買えます。
左から2番目の黒い柄は、「千枚通し」の小型版で、小さなぬいぐるみを作るときに重宝しています。
さて残りの2本は、実はタタミ用の針にオーブン粘土で柄をつけた、いわゆる自作ツールですが、誰でも簡単に作成できます。
一番左はぬいぐるみ針のように見えますが、ぬいぐるみ針より太く(右から3番目はさらに太い)、ぬいぐるみ針では堅くで穴が通らないところでも、柄があるので力が入り、スッと穴があきます。
僕はツールに凝る方なので、すべての人がこれらのツールを揃える必要はないと思いますが、あると便利ですよ。
ぬいるぐみは生地を中表に縫って、返し口(縫わない箇所)から表にひっくり返します。
このときのツールが鉗子で、元は外科手術用です。
ぬいぐるみ以外には、ペットの耳毛抜き、釣りあげた魚から釣り針を外すツールとしても使われているようです。
いずれにしても、がっちり挟んで、抜けないために最適の道具ということです。
手芸店で売っている鉗子は、長さが12.5~14cmで、先が真っ直ぐなものと、曲がっているものがあります。
僕が使用している鉗子は、上記写真の5本です。
左から10cm、12.5cmが直と曲各1本、14cm、20cmです。
この中で、最も使用するのが、12.5cmの直です。これ1本あれば、大体の返しに対応できるのですが、縫ったパーツが長くて奥まで届かないときに14cm、20cmを使用します。
テディベア教室で、指定されて買った12.5cmの曲は殆ど使用しません。
先が、直が曲かは、個人の好みのように思うのですが、小さいぬいぐるみには直が適しているように思います。
全長が12~3cm以下の小さなぬいぐるみには、ほぼ10cmサイズを使用します。
このサイズはマイクロモスキートといって、先が細く、細かい返しに適していますが、手芸店では販売されていません。
なおかつ、先が有鉤(ゆうこう)といって、鉤状になっており、挟むとちょとやそっとでは抜けませんので、重宝します。
ただし、この有鉤は、ある程度鉗子を使い慣れていないと、布地を破ってしまう可能性が高いと思います。14cmサイズのものも有鉤になっており、大きめサイズで抜けやすいパーツの場合、これを使用します。
鉗子の使い方としては、引っ張りだす方法と、押し出す方法がありますが、僕はもっぱら引っ張る方です。押し出す方は布を傷めないのですが、布地が厚かったり、曲がっていたり、小さかったりすると、表に返すのに一苦労です。
引っ張り出す方法も慣れると、布地を傷めることは少なくなります。
8cm以下のサイズのウサギの耳などは、(僕の技量では)押し出す方法では返せません。
アイドール東京vol67が先週末に無事終了しました。
大変な賑わいで、ようやくお祭りの雰囲気が戻ってきたようです。
ご承知のとおり、アイドールはドール主体のイベントですが、僕はぬいぐるみだけで出展しています。初めて出展したのが、2017年ですから、もう7年越しの出展になります。
残念なのは、ぬいぐるみの出展者が少しも増えないこと。いや、むしろ7年前より減っている位です。今回はは320名程度の参加者の内、ぬいぐるみは、わずかに8名程度の参加でした。
なにしろ入場料(1800円+先行入場料1000円)が高いので、ぬいぐるみファンがぬいぐるみだけを目当てに気楽に入場できないのです。
僕は、年に1~2回の参加ですが、ここ数年は、ぬいぐるみに限っては、参加者がくるくると変わっており、常連の出展者が極めて少ない状況です。
おそらく、ドール好きな人で、かつぬいぐるみも好きという人しかブースを覗いてくれないし、大きめの作品は、あまり喜ばれないので、初めて参加したぬいぐるみ作家も、次回は止めよう、と思うのでしょう。
しかし、ここからが本題ですが、ドールと相性の良い作品(特にサイズ)を展示すれば確実に観てもらえる、ということに気づかないまま、参加を諦める人が多いように思うのです。
このブログを読んだぬいぐるみ作家のみなさん。
ドールと相性の良い子を連れて、是非ともアイドールに参加してください。
新しいFANを獲得できますし、新鮮な驚きもあります。
ぬいぐるみの展示が増えれば、いずれ、ぬいぐるみ目当てのお客さんも増えてくるでしょう。
今回は流通センターで2日間の開催でしたが、次回はビックサイトで、7月29日に開催されます。もう申し込みも始まっていますので、前向きに検討してくださいね。ビックサイトでお待ちしています。
過去沢山のハンドメイド関連の教室に通った経験と、自分が教室を運営する立場から、今自分が何かを教わるなら、こんな人に教わりたいな、ということを3点書いてみたいと思います。
自分自身が、これから書くことのすべての条件を満たしているわけではありませんのであしからず。
1 自分の個人的な趣味嗜好を押しつけない。
これは、最も難しいことです。
教わる側の個性を殺すことになるので、厳禁したいのですが、自分もこれが出来ていれば最高だと思います。過去に教わった教室でも、結構無理強いされたことがあります。
自分も、殆ど無意識レベルで、趣味嗜好を押しつけていることが有り、かなり立ってから気がつくことも多々あるので、自分の課題にしていますが、果たして教わる側からするとどれだけ実現できているか、自信はありません。
どこまでが、個人的な趣味嗜好なのか、一般的な技術なのかの線引きは難しいのですが、このタイプガチガチの人に教わると、皆似たような作風になります。
2 教える以上、自分の知識・テクニックはすべて公開する
自分自身、これはある程度実現出来ていると思いますが、教わる側は、教わる以上、講師の知識テクニックをすべて知りたいのに、出し惜しみする人がいます。出し惜しみどころか、その人が独自に考え出したテクニックは、殆ど教えない人もいます。
常套句は、「あなたには、まだこれは早い」です。これを多用する講師がいたら気をつけたいものです。
3 自分を超えていくのを歓迎する。
自分を超えていくのを防止しようとする講師がいます。
僕も、メンバーの方が素晴らしい作品を作ると一瞬不安になりますし、教えた人が、自分よりもずっと有名になったら、やはり内心面白くないかもしれませんが、少なくとも足を引っ張ることはしたくないな、と考えています。
しかし、その場面になれば、どのような態度にでるか、全く自信はありません。
※今回は、自分への戒めとして書いた部分もあります。