結論から先に書きますが、ハンドメイド作品のうち、ぬいぐるみやテディベアの実質的な価格は、大きさに比例しません。これについては、数多くの作家がブログやSNS、ホームページで書いています。
しかしながら、多くの作家は、概ね同じ作りの場合、小さな方を安くしています。
プロダクト品は、原材料費や輸送費の関係で、小さければ小さいほど安くなる傾向にあるので、お客様の頭のなかでは、小さいほど安くて当然、という公式がなりたっているため、小さい子と大きいこの価格が同じなら、小さい方が割高である、と考える傾向にあるから、少なからず気を遣って、実質的な価格より安くしているのです。
ハンドメイド作品の場合、原価は、作家の制作にかかる人件費が大半を占めます。(個人的には、実質的な価格とは、作り手の制作時間を考慮した価格だと考えています。)
4cm以下の作品は、10~15cm位の作品に比べ、手がかかる箇所が違い、場合によっては、殆ど制作時間が変わらないものも出てくるのです。特に5ジョイントで極小サイズのものは手間がかかります。
もの作りの経験がある方はこのことを良くご存じなので、こちらが、小さな作品に製作時間を考慮しない価格をつけていると「随分安いですが、本当にこれでいいんですか」と言われたりもします。
それでもプロダクト品と比べる人は、価格を見て、ギョッとした顔をしたりすることがあります。過去に、「何故この大きさでこの価格なのか」と、聞かれたこともあります。
極小のものと、中程度の大きさもものでは、まるでジャンルが違う作品だということが、多くの人に理解されれば、作り手としても、大手を振って、実質的な価格をつけることができるのですが。
その点、比較的大きな作品は多少高額でも、多くの方に受け入れやすいように思います。
今回は、(僕が思うところの)世界観についてお話しします。
僕が素晴らしいと思うテディベア/ぬいぐるみ作家は、みな独自の世界観を持っています。
教室でメンバーと作品について語り合うとき、僕はよく世界観がある、ない、という話をします。
もちろん、世界観を持とう、という話です。
テディベア/ぬいぐるみは擬人化しやすいので、ハンドメイド作品の中でも、世界観を作りやすいジャンルだと思いますが。
(僕自身に確固たる世界観があるかないかは、自分ではわからないので、棚にあげておきます。)
1点だと難しいのですが、個別の作品が10点も並ぶと、世界観を持っている方の作品群だと、そこに独特の雰囲気が醸し出されます。それぞれの作品が、見えない糸で繋がっている感じです。
どんな住まいなのか、どんな地域に住んでいるのか(どこの国なのか、村なのか、森の中なのか)、どんな時代なのか、どんな交友関係なのか、賑やかなのか、ひっそりとしてるのか、どんな風にしゃべるのか、あるいはしゃべらないのか、などなど。
僕は、世界観を考える場合、その作家の作品を紹介するために映画の予告編のようなショートムービーを作ると、どんな風になるのか、どんな物語が出来るのか、と考えます。
それが全く想像できない場合、まあ自分にとっては世界観がない人、ということになります。
世界観のある方は、どんな大きさで、どんな素材で、どんな動物を作っても、1点で、観た瞬間にその方の作品だとわかります(素晴らしい世界観を持つ人気作家の作品を真似て作っても、作家が作り上げた世界観までは再現できないので、うすっぺらな劣化作品になると思いますが。)
また、その作家が作ったことがない動物・キャラクターがあっても、きっとこんな風になるのかな、と僕の方で、想像が出来ます(そうなるかどうかは別として)。
逆に世界観のない方の場合、1点1点は個性的であっても、それぞれが、別の方向を向いていて、バラバラな感じです。
個人的意見ですが、作家としては、世界観は是非ともあった方が良い、と思っています。
2022年11月27日の「ネイチャーアニマルワンダーランド」に出展した感想を書いてみます。
コロナ陽性者の増加にも関わらず、大勢のお客様が来られ大盛況でした。今年の夏辺りから、コロナ陽性者とイベント来客数が連動しなくなったのは、本当に有り難いことです。(海外から帰国された方の話では、あちらでは既にコロナ騒動は終わっているとのこと。)
今回は羊毛フェルトの作家さんが少し増えたような気がしました。全体のブース数も増えましたが、出展希望者の大幅増加により、今後は新規参入するのが、難しくなりそうです。
さて、今回のイベントの(個人的な)最大のトピックスは、中国の代理購入者が大幅に増えたこと。6月のドールワールド、7月のアイドールでも相当多かったのですが、一体どこまで増えるのか、と思います。
僕個人としては、代理購入を否定する立場(転売して、中国のネット上で高く売られるのは嫌ですが。)ではなく、どなたであろうと、気に入った方に買って頂ければ、嬉しいのですが、日本の作家なので、最低でも半分は日本人のお客さんに買って貰いたい、というのが本音です。
前回のアイドールでは先行入場の先頭のお客さん(中国の代理購入者)が、75点中33点も買ったので、さすがに点数制限しないとまずいな、と思い、今回は一人上限8点にして、多少国内のお客さんにも行き渡ったのですが、まだまだ足りない状況です。
次回から先行でSNSやホームページで紹介して、一人1~2点程度お取り置きできるようにしようかな、と考えています(もっと名案があれば、そちらにしますが。)
このとき、代理購入者が混ざらないようにするにはどうしたらいいか、思案中です。
誰か良いアイデアがあれば教えてください。
なお、来年から、最近勢いがなくなっていたテディベアコンベンションが春と秋の年2回、各1日開催(これで、かなり出展しやすくなりました。)になり、どれだけ盛り返すか、気になるところです。
友人(シンガポール在住)から、今年開催されたロンドンのテディベアイベントに行ってきた話を聞きましたので、紹介させて頂きます。
開催スタイルは日本と同じで、作家ごとのブースで、作家自身が対面販売する、ということなのですが、違っていることところもあるようです。
話を聞くと、まず一番の違いは、テディベアの大きさ。日本より平均で二廻り位大きいサイズ(30~40cm)が標準のようです。
そのため、各作家のブースも広く横幅で、180~240cm程あるとか。
パンフレットをお借りしたのですが、写真を見ても大きさはわかりにくいのですが、作りは(日本と比べて)かなり大雑把なようです。実際にロンドンで観てきた友人も同じ印象を持ったようです。
英国独特の感性なのか、日本では受け入れがたいような見た目のベアも結構いて、国が違えば、これほど好みのテイストも違うのか、と思いました。
日本と同じく、会場でモヘアなどの材料も販売していたようなのですが、価格を聞いて、その安さに驚きました。日本の材料費のなんと高いことか。
パンフレットの中には、なんとなくロシア風のベアもいたので、聞いてみたところ、ロシアやウクライナからロンドンに移り住んで、出展した方もいたようです。
その友人は、今度はドイツのイベントにも行く予定で、イギリスとの違いもわかれば、またブログに書きたいと思います。
個人的には、ロシアのテディベアイベントに一度は行ってみたいな、と思っています。
前回Instagramについて自らに課した禁止事項をご紹介しましたが、Twitterの禁止事項もやってほしい、というリクエストがありましたので、今回はTwitter禁止事項をやります。
前回同様、これはあくまで個人的な考えなので、人によっては、そこまで禁止する必要はない、と思われる項目も含まれています。
1 TwitterとInstagramを同じ内容にしない。
すいません。ご承知の方もいらっしゃると思いますが、今のところ、思いっきり同じ内容になっています。出来れば、それぞれのSNSの特徴を生かした内容にしたい、と思っていますが、今後の目標と言うことでお許しください。
2 閲覧専用のアカウントは、プロフィール欄にはっきり書いておく。
僕自身閲覧専用アカウントは持っていませんが、フォローして頂いた方がどのような情報発信しているか、過去に遡ってチェックするのですが、どこまでいってもリツイートしかないと、本当にがっがりします。
3 バズることを期待して、敢えて気の利いた風なことをつぶやかない。
かつて自分もやったことがあり、思い出すと恥ずかしいです。
そのような他人のわざとらしいツィートを見かけると、こちらまで恥ずかしくなります。
4 プロフィール欄にあまりに悲惨なことを書かない。
Instagramでは殆どみかけないのですが、Twitterでは、読んでいて気分が悪くなるような露悪的な自己紹介を書いている人を、たまに見かけます。多少は自分を紹介するために、必要なこともあると思いますが、やりすぎると、読む人に毒を振りまくことになります。
まあ、発信者としては、理解・賛同してもらえる人にだけ読んでもらえればいい、ということなのでしょうが。
以上ですが、読み返すと、Instagramよりは、やってはいけない(と個人的に思っている)ことが少ない、自由なSNSなのだなあ、と思いました。
Instagramはもっぱら作品の広報として使わせて貰っていますが、特に購入の意思のない方でも楽しんでもらえるよう、気を配っているつもりです。
その中で、自らに課した禁止事項を参考までにご紹介します(Twitterの禁止事項は、少しだけ異なりますが、機会があれば紹介させてもらいます。) 。
ただし、これはあくまで僕個人が考えたものなので、人によっては、そこまで禁止する必要はない、と思われる項目も含まれていると思います。
1 テキストメインのポストは載せない。
自分の出展するイベントなどを、ポスターのようにテキストが主体の画像で知らせる方がいますが、Instagramは写真を楽しむアプリなので、写真の片隅に「●●イベントに参加します」と表記し、文章で説明すれば足りると思っています。また、どうしてもテキストメインで詳しく知らせたい場合は、次ページ以降で紹介すれば良い、と思います。興味のある人は、次ペーシ以降もチェックしますので。
2 同傾向(似たり寄ったり)のポストを連続投稿しない。
連日似通ったポストを連続投稿されると、観ている方は、またか、という気になります。
3 一度に沢山のポストを投稿しない。
個人的には、これが一番嫌なので、絶対にしないつもりです。10枚以上同じ人のポストを連続で見せられると、うんざりします。僕は、同時に2枚以上載せたいときは、次ページ以降にして、観たい人だけに観てもらうようにしています。
強制的に観てもらいたいのでしょうが、かえって逆効果になっている場合があると思いますが、そう思うのは少数派なのでしょうか。
4 あまりに宣伝メインのポストは載せない。
ハンドメイド作家が、自己作品を、赤字で大きく「sale」と書いてポストで紹介していると、今まで好きだった方でも、フォローをはずします。値段を大きく表示しているものも同様で、興味のある方はテキストも読みますから、そちらで紹介すれば足りると思っています。
5 プライベートなポストは載せない。
その作家さんのプライベートな部分も知りたい方には、むしろ載せた方が良いと思いますが、全く個人的な嗜好として、Instagramは、作品集(あるいはポートフォリオ)にしたいと思ってます。なお、この項目だけは、他の方がプライベート情報を載せていても、それがいけない、嫌だ、知りたくない、という気持ちはありません。
現在、継続中のSNSはInstagram、Twitterのふたつで、すべてぬいぐるみ作家活動の広報として使っています。プライベートなことは殆ど扱っていません。
既にやめたものとして、facebookがありますが、2015年から1年くらいやっていましたが、殆ど情報発信はしませんでした。
Instagramが2016年10月、Twitterはそこから2週間遅れでスタートしました。今回は、これらの更新のタイミング時期について書いてみます。
Instagramは、初めてしばらくは、毎日更新していました。
フォロワーがどんどん増えていったため、面白くて、しばらくは生活の中心が頭の中がInstagramの更新のことでいっぱいになった時期もありました。ところがTwitterは同じ内容なのに、全くフォロワーが増えず、半年程で中断してしまいました。
Instagramの方は徐々に、ネタ切れとなり、更新が2日に1回、3日に1回と減ってきました。
2018年の6月頃に、ある方から、InstagramよりもTwitterの方が、熱いフォロワーが多いので、やらないのは絶対勿体ないと言われ、どうしようか迷っていたとき、また別の方は、InstagramとTwitterのフォロワーはかぶらないし、自分はTwitterのフォロワーの方がイベントに来てくれる、と言っていました。
その年の10月、重い腰を上げて、Twitterを再スタート。このときのフォロワー数が100人程度(Instagramは2,000人を超えていました。)でした。
最初はInstagramで「いいね」が特に多かったpostを毎日更新しました。2年分貯まっていたので、ネタには困らなかったのが有り難かったです。人気のpostを毎日更新したせいか、今度はフォロワーがどんどん増えていったため、この作戦は大成功でした。
結果として、フォロワーもお互いあまりかぶっていないようです。
ある程度フォロワーが増えた時点で、Instagramと Twitterの内容を全く同じにし、今は4日に1回、朝早く(大体6時位)同時期に更新しています。
何故4日に1回かといいますと、Instagramの「いいね」が4日目からあまり増えなくなるからです。Twitterは2日目の午後辺りから全く「いいね」がつかなくなりますが、内容を同じにしているため、Instagramに合わせています。
Instagramと Twitterは、ぬいぐるみ作家である限り、続けていこうと思っています。
販売スタイルについて
今、ハンドメイド作家には、どのような販売スタイルがあるかまとめてみました。
まず、大きく展示販売か、ネット販売かの違いがあります。一方の長所がもう一方の短所になっているのですが、恐らく今後ハンドメイド作品の市場そのものが徐々にネット中心になっていくのではないか、と思います。では、店頭販売から
1 イベント会場での販売。
これは、今自分がメインとしている販売スタイルで、メリットはお客さんと直接触れあえること。しかし、ここ数年、代理購入が増えてきて、このメリットが次第に薄れてきました。東京在住だと、毎月どこかで大きなイベントが開催されているので、出展に困らないのですが、地方在住だと、そもそもイベント参加は難しいでしょう。
2 個展・グループ展を開催。
グループ展は小規模で、開催場所や時間など、小回りがきくメリットがありますが、主催者(責任者)の負担が大きいと思います。
個展は、一定数のFANがいないと、開催は難しいでしょうが、独自の世界観を構築できるため、この販売スタイルが、作家として最も幸せだと思います。ご存じのとおり、人気作家の中には、このスタイルだけで販売している方もいます。
3 委託販売。
雑貨店やカフェ等に置いてもらい、売れたら、一定率のマージンを払うスタイル。
ネット販売がない時代は、これがメインの方も多かったのでしょうが、特に大都市だと、40~50%のマージンを払うことになるので、なかなか厳しいです。僕もスタート時は、宣伝もかねて、4~5店でお願いしていましたが、今はやっていません。
次はネット販売ですが、
1 マーケットプレイス等で販売。
ミンネ、クリーマ、ヤフオクなど、現在、数え切れないくらいのマーケットプレイスがあり、ハンドメイドを販売するとき、誰もが最初に考えるスタイルかと思います。
それぞれ、掛け率も違うし、訪れる客層も違うようですが、最初は、これがベストの販売スタイルだと思います。
ただ、客層が玉石混交で、嫌な思いをすることもあるようです。
2 自分のSNS・ホームページで販売。
ある程度フォロワーが増えてきたら、SNSやホームページで売れるようになると思いますが、客層は自分のFANが中心となるため、あまり取引でトラブルを起こすことは少ないと思います。
さて、どの販売スタイルが良いか。個展で人が呼べるなら個展がベスト、補助的にSNSやHPで売る、ということでしょうか。実際は、最初からこの方法をとるのは無理があるので、イベント会場やマーケットプレイスで地道に売っていくしかないのでしょうが。
今年、第6回の幽玄展が8月12日~16日までの間、開催されましたので、レポートさせて頂きます。僕は、15日(月)午後に行きました。
ここ4年は、文京区千駄木の「WhiteGallery」で開催されていますが、約20名の作家が、各3~5点程度出展し、主催者の加藤日砂さん、保科直人さんご夫婦が、店内ディスプレイをされています。また、お二人が企画した、楽しいイベントが盛りだくさんです。
展示は、作家ごとではなく、各作品が混ざった状態で、抜群のセンスで配置されています。
この展示がすでにアートで、これを観るだけでも価値があります。
今年は、ノベルティの「幽玄ちゃん」を各出展者(昨年はなんと日砂さんが、一人で数十点制作されました。)が2点づつ制作しましたが、これらも展示され、各作家さんの個性ある幽玄ちゃんを観ることができました。幽玄ちゃんは、出展作品購入者にランダムに配られるようです。
初日の午前中に作品購入の抽選会があり、僕は初日に行けなかったのですが、100人を超える人が押し寄せ、大変な賑わいだったようです。
出展者は毎年少しずつ入れ替わり、ここ数年は、僕が尊敬する作家さんの参入があいつぎ、今年は湊敦子さん(谷中のzoo)大國早苗さんが参加され、期待はマックスとなりました。
大変な力作が並び、思わず足が止まり、しばらく離れられない作品が数多くありました。
1回目から参加している僕としては、以前は気楽な気持ちで参加していたのに、だんだん
気が抜けない展示会になってきています。
正直、この展示会には、斬新なチャレンジ作品を出そう、とは思うものの、思うような作品は出せないでいるのですが。
これから参入する人には、かなりプレッシャーがかかるのではないでしょうか。今後は、幽玄展に出展することが、作家のステイタスになる日がくるのではないでしょうか(もう既に来ているかも?)。
主催者のお二人の大変な努力に敬意を表しつつ、今後の幽玄展の発展をお祈りします。毎年パワーアップしていくこの展示会は、一体どこまで行くのでしょう。
昨日参加したアイドール東京vol65が無事終了しました。
数日前より、新型コロナ陽性者が激増していたため、どうなることかと危惧していましたが、結果は大盛況で、会場内のあちこちで密な状態が見られましたが、皆、コロナはキツめのただの風邪と思うようになったのか、マスクをしていなければ、コロナ禍前と全く変わらない状況でした。なんと、参加ブースは500を超えていました(ちなみにドールワールドが150、来週のベアコンベンションは100位。)2年前の閑散とした会場が嘘のようです。
当然僕は「ぬいぐるみ」枠で参加したのですが、今回はたったの8人(ぬいぐるみだけど、それ以外の枠で参加した人が数名いましたが。)。
カウントはしていませんが、何故か、毎回減っているような気がします。僕が最初に参加した5年前は、確か20人いたと記憶しています。
会場は盛り上がっていましたが、ぬいぐるみゾーンは残念ながら淋しい限りでした。
僕自身のブースは、お陰様で、この前のドールワールドと変わららず、お客さんに来て頂きましたが、先行入場したにもかかわらず買えない方がいらっしゃたため、次回以降は1人辺りの購入点数に制限を設けようと思います。
また、11月のネイアニでは、お一人様1点に限り、SNSを通じて、お取り置きをさせていただこうかな、とも思っています。そうすれば、僕の作品が欲しい方に最低1点はお届けできると思いますので。
(なお、今後の状況にも寄りますが、今のところ、会場での抽選販売は考えていません。)
アイドール主催者に対して、特に要望はないのですが、今後はもっとテディベア作家、ぬいぐるみ作家にも沢山参加してもらいたいなと思います。
現在、ぬいぐるみのゾーンが狭いので、気づかないお客さんも大勢いると思いますし、アイドールでもぬいぐるみが買えるんだ、ということが知れ渡れば、もっとぬいぐるみゾーンが盛り上がると思います。
(ただし、ドールのお持たせでぬいぐるみを買う人が大半なので、現状では大きめの作品は売りにくいと思います。)
これを読んで頂いたぬいぐるみ作家の皆様、是非次回の参加を検討してみてください。
アート、クラフト、ホビーの世界では、謙虚さと自信は相対するものではないと思いますが、あまりに謙虚な人は、何事も成しえないと思います。
「自分なんかより、もっと才能がある人が沢山いる」「まだまだ時期尚早」などと、謙遜していれば、根拠のない自信と行動力を持った人に、自分が望んでいたものを奪われてしまいます。これが現実です。
結局、実力や才能はとても大切ですが、あまりにも現状がお粗末な場合は別として、まずは行動に移すことではないでしょうか。ネット販売、展示会の出展は勇気を持って望みましょう。
とにかく、自分は、「自分より上がいるのは当たり前であり、それを思うとなにもできない。」ということを忘れないようにしています。
例えば、あなたがオリジナリティの高い、独創的な世界を時間をかけて作り上げても、同じようなことを考えている人がいて、さきに発表したら、それの世界観があなたの劣化版だとしても、あなたはコピーした人、といわれかねないのです。
なので、ある程度の準備ができれば、堂々と打って出るべきです。
そして、ここが肝心な点ですが、行動に移す場合、あらゆる角度から、やれるだけのことをやって、出来る限り、小さく小さく試していく、とにかく、数多く試す!ダイズを転がす!、ということ。
色々と、小さく試して、手ごたえを感じたら、先に進む、このやり方が一番だと思います。
後は、何を試すか、というアイデアを沢山持っておくことでしょうか。色々試したおかげで、僕も、多少(ほんとに多少ですが。)とも売れるようになったのだと思います。
「下手な鉄炮も数打てば当たる」というのは、真実である、と僕は信じています。
これは自慢話ではなく、いまひとつ行動に移せない方へのエールとして書いてみました。
今年も、ドールワールドフェスティバル(以下DWF)2022に参加しました。
イベントは、昨年のネイチャーアニマルワンダーランド以来ですので、実に半年振りとなります。
いつになく緊張気味で、オープンは11時半なのに8時45分に到着し、セッティングは1時間弱で終了しました。
オープン前にぐるっとひとまわりして気づいたのは、前回はちらほら見られた出展者ブースの空席が殆どなく、ぬいぐるみの出展者が激増していました(数えたら76名でした。全出展者の約半分です。)。
僕が6年前に初めてDWFに参加したときは、本当にぬいぐるみで参加していいのかと思うくらい、ぬいぐるみの出展者が少なく、やはり、このイベントはドールが主体なのだな、と思ったことを覚えています。今回大幅に増えたのは、やはり前回ヒッピーココさんが参加されたことが影響しているような気がします。例年のことですが、羊毛フェルトの参加者は、さらに減っていました。
さて、先行入場がスタートしてからのお客様の数は、ほぼコロナ禍前に匹敵する勢いで、お陰様で、1時間で完売することができました。
今回、教室のメンバーは、前回より2名多い8名で、皆大健闘していましたが、教室の主催者としては嬉しい限りです。
2年前まで、DWFは2日間の開催でしたが、昨年から1日の開催になり、出展者の負担が大幅に減り、さらに参加しやすくなりました。
以前も書いたことがあるのですが、主催者の「みくにビスクドール」さんは、出展者と同じ目線で、一緒に盛り上げていこうというスタンスですので、とても気持ちよく参加できます。
どこのイベントかは、あえて差し控えますが、「参加させてやる」というスタンスの主催者もいることを考えると、DWFは、出展者にとって本当に素晴らしいイベント(お客様にとっても、幅広いジャンルを観ることができる楽しいイベントです。)です。
創作することは自分にとって人生最大の宝物です。
映画鑑賞、音楽鑑賞も好きなのですが、何しろ、創作活動をしていると、一粒で5度おいしいのですから。
今回は、その5度(五つの要素)について書いてみます。
1 あれを作ろう、これを作ろう、とあれこれ想像している時。
作る前、描く前に何を作ろうか、どう工夫して作ろうか、あれこれ創造することが、実は一番楽しいのです。これは創作活動を楽しみとする人は、皆知っていますよね(このブログを観ている方の大半は、そういう人だと思います。)
2 他人の作品を鑑賞している時。
作り手の立場から、創作系の作品を鑑賞するのは、あらゆるジャンルのものが自分の作品のヒントになるので、観ていてとにかく楽しいです。特に自分の作っているジャンルと違うものを観るときの方が楽しいかも。大きなヒントが得られるから。
3 作っている時。
無心になって、フローやゾーンの状態になれます。そんな状態になった時ほど、思い通りの良いものが出来ます。
4出来上がった作品を他人に鑑賞、評価してもらう時(販売も含め。)
これについてはガッカリすることもありますが、観た方、買って頂いた方に、喜んで頂いたけた、とわかった時、至福の時を味わえます。ああ、作り手で良かった、と心底思える時です。
5 他の作り手と交流している時。
ここには、他人に教わること、教えることも含まれます。
素晴らしいヒントを得ることができるし、驚くこと、感動することも多いですね。100人の人がいれば100通りのアプローチがありますから。教室をやっていて、本当に良かったと思います。
このように書き出すと、自分がいかに恵まれた宝物をもっているのかわかます。
まことにもって有難いことですが、自分の知らない楽しみをが、この世にはまだまだ、沢山あるのだろうな、という思いもあります。
今回は手縫いの糸についてお話しします。
以前は、もっぱらダイソーのキルト用糸を使用していましたが、個人的にはこの糸が最も絡みにくく重宝していましたが、残念ながら一昨年製造中止になってしまいました。
その後、色々試して最終的に行き着いたのが、ダルマ Dual Dutyの40番です。
教室のメンバーにも、この糸をお勧めしています。
これはメキシコ製のパッチワーク用の糸で、最大のメリットは比較的絡みにくいことです。
やや厚めの番手で、糸が少し平たくなっているのが絡みにくい原因だと思います。
色の種類も結構あるので、良く使う色を揃えて使用していますが、この糸が使いにくい、という人もいますので、万人向けではないようです。
要は絡みにくく、適度な厚み(50番より厚い番手)であればどんな糸でもいいのですが、周囲に訊くと皆、絡まないために色々工夫しているようです。
一手間かけるのであれば、アイロンをかける、蝋引きする、という方法が有るようですが、こんな面倒なことをいちいちするのは、性格上できません。
良く言われるのが、糸をピンピン引っ張る、というのがありますが、毎回これをするのも、面倒です。
以前テディベア教室に通っていた頃、講師の方から、針を通した後、指でひっかけて糸をピンと張ればからまない、という話がありましたが、これも針を通す度に引っ張るのが面倒でやっていません。
結局絡みにくい糸を選ぶのが一番だと思うのですが、ダルマ Dual Dutyの40番より絡みにくい糸があれば、是非使ってみたいと思います。
なお、目付用には、8番、ミニサイズ(全長10cm以下)の目付には20番を使っています。レザークラフトをやっていた頃に使っていた蝋引きの糸が沢山余っているのですが、残念ながら、太すぎてぬいぐるみ用には使えません。
一旦絡んだら、僕はほどく時間がもったいないので、直ぐ糸を切って、やり直します。
どなたか絡みにくい糸があれば教えてください。
そもそも、ハンドメイドをやっているのは、作るのが好きだからです。
ああ、自分は作ることが好きなんだなあ、と思える瞬間のためにやっている、といっても過言ではありません。
しかしながら、「好きを仕事にすると、思ったほどには楽しくない」というのも、よく言われることです。心理学によると、何かを行動に移す動機には、「内発的動機」と「外発的動機」の二種類があるそうです。
外発的動機は、「お金」「地位」「名誉」等自分の外側にあるもので、内発的動機は、自分の内側から湧き出てくるものです。
アメリカで行われた心理学の実験で、学生を2グループに分けて、パズルを解いてもらったそうです。一つのグループには、ただパズルをやってもらうだけで、もうひとつのグループには、パズルが解けたら報酬を与えたそうです。
結果は、報酬を与えたグループでは、実験が終わった後にパズルをやる人は殆どいなくて、ただパズルをやっていたグループでは、続けてやった人が数多く出たそうです。
純粋にパズルを楽しんだか、お金のためにやったかで結果が違ってきたのでしょうか。
一昨年の4月~5月、初めての緊急事態宣言が出たとき、教室も休み、しばらくはイベント開催のあてもなかったため、全く売ることを考えず、ただひたすら新しいものを作り続けたのですが、やはり直近では、この時期が一番作る楽しみを味わえたときです。
ハンドメイド作家の中には、生活費を稼ぐために作っている人もいるでしょう(念のために言っておきますが、好きなことを職業にするのを否定しているわけではありません。)。
自分は生活費のために作ってはいませんが、売りたい気持ちが先行すると、楽しさより、圧迫感や焦りが多くなります。
「もっと知名度を上げたい」「あの人より売れるようになりたい」「在庫をゼロにしたい」と思う程に、作る喜びを犠牲にしている部分があります。
世の中には、「好きなものを、好きなときに、好きなように」作って、それが結果として売れている、幸せな作家もいますが、自分にはとうてい無理です。
これは本音ですが、作る喜びを犠牲にしすぎないで、作品が在庫過多にならない程度に、ホドホドに売れてくれるのが一番かな、と思っています。
ぬいぐるみ、テディベアに限っての話ですが、制作する上で、形(フォルム、造形)、質感(素材)色彩のどれが大切かと言うと、個人的には圧倒的に形だと思います。
質感は、質の良い高価な素材を選べば大きな外れはないし、色彩は、原色を避けて同色系統でまとめれば、無難な仕上がりになりますが、形だけは、誰かの模倣でないオリジナルなものは一番難しいし、他人と差がつく、個性を発揮できる部分だと思います。
しかしながら、素晴らしい色彩センスで、オリジナリティを発揮している方もいます。
自分はどうかというと、(以前にも書きましたが、)男性より女性の方が、圧倒的に色彩センスは良いと思いますが、男性の中では、自分はマシな方だという自負はあります。
でも、女性の中に混じると凡庸かな、と思います。
センスの良い女性は、補色、さし色の使い方がとても上手です。まあ、普段から服装やアクセサリーで鍛えているのでしょうが、色の配分がとても上手い。小物を使うにしても、色をよく考えて使っています。
素材を選ぶのも、どうやら色彩センスと連動しており、色彩センスの良い方は、素材選びも上手なように思います。
質感と色彩は切り離せないところがあり、色彩に鈍感な人は、場違いな素材を選んでも平気なようです。
と、なにやら偉そうに書きましたが、岡目八目といいますが、他人のことは多少わかっても、自分のことは、あまりわからないのです。
しばらく月日をおいて、自分の作品を客観的に見たときに、(自分にしては)色使いがうまいな、と思ったことが、殆どないことで、自分の色彩センスが凡庸であることは間違いないようです。
では、色彩センスは鍛えれば伸びるでしょうか。
ネットで検索すれば「伸びる」という意見が大半ですが、生地を自分で染めることで、多少は鍛えられていれば良いのですが・・。
教室で、メンバーの方に指導・アドバイスしている際に「どうすればいいか」と訪ねられた場合、極力「(あなたが求める方法に近づけるために)自分だったらこうする」という答え方をしています。
また、僕の考えに疑問を持った場合、違うと思った場合は、従う必要はないことも、重ね重ね言及しています。
メンバーの方は、bestの方法を求めて、正解は何かと訪ねている時があることはわかるのですが、各人が目指すオリジナルな作品は、各々目指す方法が違うので、「こうしなければならない」という決まりはない、というのが僕の考えです。
それ故、各人がどのようなオリジナル作品を目指すのかは、早い段階から把握しようと努めています。
もちろん、型紙の制作手法、見た目に綺麗な縫い方、効率的な染色の方法、等、技術的なことには、当然正解がありますが、これも個人の性格によって、ふたつ以上の正解がある場合もあります(手法にも向き不向きがあるということでしょうか。)。
絵画教室の作品展を観ると、主催者の作品に似た絵がずらっと並んでいる場合がありますが、自分としては、そういう方向にいかないよう極力注意しています。
(ただし、スタンダードなテディベアを作る教室では、伝統的な手法を学びますので、
「こうした方が良い」という決まりごとはあると思います。)
メンバーの中には、僕の作品のテイストに似た方もいますが、これはたまたま目指すところが、僕の方向性と似通っていただけで、大半の方はそれぞれ目指す方向が違います。
例外的に、できる限り本物の動物に似たリアルなものを作りたい、という場合は、「本物」というお手本があるので、進める方法・方向性に正解があるとは思いますが。
先月、1年がかりで制作した「スペシャル企画」がやっと終了しました。
受注点数は208点で、キャンセル2名、完成のメールに返事がなかった方が3名、海外の方で入金方法がなかった方が1名、計6名以外すべて完成品を送り届けることが出来ました。
昨年の3月に、InstagramとTwitter上で、6点の作品のサンプルを掲載し、注文があった順から、制作していくつもりでした。
応募期間は10日間で、それ以前のネット販売の抽選応募倍率から推測して、100点位は受注があるのかな、と思っていたところ、2日目の夜に200点を超えて、慌てて受注を締め切った次第です(嬉しい悲鳴です。)。
注文できなかった方にはご迷惑をおかけしたのですが、受注された方に対しては、なんとか1年で制作を終わらせることが出来て、ホッとしています。
完成が100点を少し超えた辺りで、もうこんな企画は二度とごめんだ、と思ったのですが、今は、受注点数を減らして、再度挑戦する気になってきました。
申込者は、東京から離れた場所の方が多く、この企画がなければ殆どの人とご縁がなかったかと思うと、やった甲斐はあったな、と今になって思います。
とにかく、大勢の方から感謝のメールも頂いて、買って頂いた自分としては恐縮するばかりですが、心底感激もしました。
同じものを大量に作ることで、綿の詰め方、目鼻立ちの決め方についても、学ぶことは多かったです。
それまでは、1点ごとにすべて違うことを基本に作っていましたので、毎回同じ綿の詰め方、目鼻立ちの決め方は職人的な技が必要だと言うことを理解しました。
次のスペシャル企画はいつになるかわかりませんが、遅くとも今年中には取りかかりたい、と思っています。
その時はどうぞよろしくお願いします。
先日、世田谷美術館で開催されていたグランマ・モーゼス展を観に行ってきました。
素朴で、とても癒やされる絵が多い展示会でした。
ご承知の方も多いと思いますが、ヴァーモント州郊外の農村風景を描き続けた、アメリカの国民的な画家です。
本名は、アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(1860~1961)といいますが、一般的にはグランマモーゼス(モーゼスおばあちゃん)で通っているようです。
この人の凄いところは、絵を描き始めたのが、75歳からだったこと。
78歳の時に、たまたまドラッグストアで売っていた自分の絵が、コレクターに発見され、翌年、ニューヨーク近代美術館の展覧会「現代の知られざるアメリカの画家たち」で紹介されて、これが画家としてのデビューとなるようです。80歳で初の個展、その後101歳まで描き続けて、大人気作家となった訳です。
今回実物を初めて観て、80歳から90歳まで、ドンドン絵が素晴らしくなっていく(個人的見解ですが)のを知って、大変な驚きを感じました。
何故なら、今まで数多くの画家の展示会を観てきた経験上、多くの画家は80歳辺りから、絵に衰えが感じられ、過去の作品の劣化的なトレースに陥っていったように思うので(もっと早く衰える人もいますね。)。
デビューが遅かったからというだけでは説明がつかないほど、特に、85歳から90歳辺りの作品は素敵でした。
正直な感想として、「年齢で限界を設けてはいけないな。」と思い、物作りをする身としては、大いに励まされました。
この気持ちを忘れないようにと、複写絵を買い、リビングに飾っています。
この展示会は、残念ながら、東京では2月27日で終了しますが、その後全国を巡回するようです。気になった方は、地元に来たときに是非観に行ってくださいね。
材料がドンドン増えます。
以前にも書きましたが、もう材料の在庫がどこに何があるかわからない状態になっています。今、棚や箱類がドンドン増え、もうこれ以上置き場がない状態になっているのですが、
これに拍車をかけているのが、いわゆる「まとめ買い」というやつです。
新機軸で、新しい材料を使う場合に材料が増えるのはやむを得ないのですが、既存の材料を持ちすぎるのは、要注意です。
ネットで一定数以上買うと安くなる場合、あるいは一定以上の金額を購入し送料を浮かす場合、またユザワヤやオカダヤの割引クーポンで、大量にまとめ買いする場合、様々なシーンで、先を見越したまとめ買いをしてきました。
ところが、まとめ買いは思ったほど得をしていない、場合によっては損をしている、ということに、最近ようやく気づいたのです。
売り手の戦略にまんまと引っかかっているのですね。
まとめ買いするものは、回転がよほど速くて、5年10年先も確実に使い続けるものでないと、結局捨てることになります。
特に生地類は、自分の趣向が変わるので、買いすぎると、まず確実にゴミになります(いつか使うだろうと思って持ち続けていると、置き場所にも困ります。)。
使用頻度の低いものは、買ったこと事態を忘れてしまいます。
買ったことを覚えていても、僕の場合は、保管場所がわからなくなって、最悪の場合、どこかにあると思いつつ、買い足す場合もあります(トホホ)。
これは本当に情けないのですが、たびたび起こってしまいます。
結局、送料がかかっても、あるいは割引があっても、買い置きは必要最小限に止めるのが賢明なのでしょう。
皆さんも、くれぐれもまとめ買いにはご注意を。