今回も自分のことは棚に上げて書きたいことを書きます。
ハンドメイド作家の宿命として、誰しもが、既存作家の影響を受けています。
どんなジャンルの創作物でも誰の影響も受けていないという人がいたら、自分の作品を客観的に観察できない人かな、と思います。
影響といっても、上っ面だけをまねた、いわゆる「模倣(コピー)」と、自分になりに昇華した「応用」に分かれると思います。
コピーについては、過去何度か書いていますので、今回は自分が思う応用について書いてみます。
創作はジャンルを問わず、意識するか無意識下に関わらず、殆どの人が、他の作品から影響を受けているので、全くのオリジナリティというのはあり得ないと思います。
これを前提とした上で、己のオリジナリティを確立するために必要なのは、今の自分の作風・土台の上に、感銘を受けた他の作家のオリジナリティを応用することだと思います。
「このアイデア・個性を自分だったらどう表現するか」とまず考える発想がないと、他人の優れた部分を真似(初心者に多い)するだけになってしまうと思います。
またそのためには、自分の現時点でのオリジナリティは何かを良く理解しており、自分自身を大切にするスタンスが必要ではないでしょうか。
この姿勢さえ忘れなければ、個人的には他から影響を受けることは決して悪いことではない、と考えています。むしろ積極的に、外部の作品を自分の作品として昇華していけばいいと思います。
特に他のジャンル(例えばぬいぐるみなら絵画や編みぐるみ、陶人形等などから)からのアイデアを自分のジャンルに落とし込めるなら、これに越したことはないな、と思います。
まれに、器用な人で、色々な人の影響を作品ごとに受けており、それぞれ「〇〇さん風」「△△さん風」になっている人がいます。コピーではないのですが、微妙に作風が違っており、一体何をやろうとしているのか、どこを目指しているのか、見ている方を戸惑わせます。
器用貧乏ゆえに、陥ってしまう落とし穴でしょう。
1 トレース台
イラストを描いている人ならだれもが知っているツールかもしれませんが、僕は数か月前まで知らずにいて、偶然ネットで見つけ「こんな便利なものがあったのか」と興奮しながらポチりました。
仕掛けは単純で、台の上にトレースしたいものを置き、その上にトレース(写す)する紙を置き、トレース台の左上電源スイッチを入れると台全体が強く、明るく光ります。
トレースしたいものが影のようにくっきりと写り、鉛筆等でなどると、詳細に書き写せます。僕はA4サイズを購入しました。
型紙の一部を修正、変形させたい時に使っていますが、変更しない部分は、正確にトレースでき、変更したい部分を書き足していきます。
これを使う前は、トレーシングペーパーを使っていたのですが、今一つはっきり写らないことが多く、イライラしながらトレースしていたのですが、これを使うことで、実に快適にトレースできるようになりました。
2 スケッチフレーム
これは水彩画を描いていた20年前に入手し、今では教室のレッスンで大活躍しています。
どういうときに使うかというと、ぬいぐるみの左右上下のバランスを取りたい個所に、このフレームを当てて、バランス調整します。
僕自身は多少左右上下のバランスが多少崩れていた方が面白いと思うのですが、人によってはバランスよく、正確にきっちり制作したいという方も結構いて、その時にこのツールが登場します。
もう少し大きいものを買おうとネットで探したのですが、正確な名称がわからず、現在は写真の通り自作したものか、格子模様の入った下敷きを使っています(「透明 下敷き 方眼」で検索すると出てきます。)が、あまり方眼が細かいとかえって使いにくいことを書き添えておきます。
先週、今話題のゴッホアライブ東京展を観てきました。
没入型展示会というふれこみ、かつ、これまで世界で延べ34万人が観たということで、大変期待して観に行きました。
案内によると、オーストラリアの企画会社が立案したもので、世界中を巡回しており、東京(国内では、名古屋神戸に続いて3番目)は記念すべき100番目の都市にあたるそうです。
暗い通路を歩いていくと、両壁と床に巨大スクリーンでゴッホの絵画が写し出され、クラッシク音楽に合わせて、どんどん絵画が入れ替わっていき、一部ではゴッホの絵画がアニメーションで動きました。
入場料は3,000円とちょっと高めで、かつ平日にもかかわらず、結構沢山の観客が観にきていました(他の展示会と違い、若い人が多かったですね)。
僕自身の正直な感想を言うと、よほどゴッホの絵が大好きか、新しいエンタテインメントが好きでないと、3,000円の価値はないと思いました。
ただ、今まで観たことがないゴッホの(スクリーンに映し出された)絵画も多数あったので、これはこれで、新たな発見があって良かったと思います。
昨年観た、ホックニー展、ソウルライター展にも、今回同様の趣旨のエンタテインメントがあり、最近はこういうスタイルが流行りなのかと思っていましたが、このゴッホアライブが最初なのかもしれません。
但し、上に書いたふたつの展示会は、作品の展示があって、かつ、その付録?としてのエンタテインメントでしたが、今回は、ゴッホの絵を楽しむ気持ちでいったので、消化不良となりました。
絵画鑑賞ではなく、ニューウエイブのエンタテインメントを観に行くつもりで行けば、もうすこし楽しめたかもしれません。
観に行く予定の人は、絵画鑑賞とは別物のショーとして考えれば、結構楽しめると思います。
これから数回にわけて、僕が創作する際に使用している便利ツールを紹介していきます。
なにしろ道具に凝る方なので、万人受けするかどうかわかりませんが、用途も説明していきますので、自分に合いそうなものがあったら試してみて下さい。
1 染料で部分染する際の便利ツール。
ネットで、サードハンドやフレキシブルアームと称して売られている、はんだ付けする際に部品を固定するツールですが、これが部分染めをする際、威力を発揮します。これを使うことで、両手がフリーになるので、かなり細かい作業ができます。
これを使わない場合、左手でぬいぐるみを持ち、右手で染料を塗り、揉んで毛に染み込ませますが、うっかり左手に染料がつくと、染めたくない部分にも広がってしまいます。
このツール(写真)は二台目ですが、一台目は小ぶりでアームも3本しかなく、いまひとつ痒いところに手が届かない感じでしたが、これは背が高く、アームが6本もあるので、大きなぬいぐるみにも使用できるし、360度角度調整ができて、素早く部分染めができます。
ぬいぐるみにアルコールマーカーをペイントする場合も、角度を自由に変えることで、塗り残しがなくなり、重宝しますよ。
2 針ケースと針置き。
手芸店で売られているのでご存じの方も多いと思いますが、お持ちでない方は騙されたと思って使ってみて下さい。これを購入する前は、針山に針を刺して使っていましたが、これらを使うようになって針の選定に迷うことがなくなりました。
針ケースは、磁石になっているので逆さにしても落ちません。針全体が見えているので、太さ長さが一目でわかります。
針置きは、以前は冷蔵庫に張り付けるマグネットクリップを逆さにして使っていたのですが、専用の針置きを購入してその便利さがわかりました。
中央がくぼんでいるので、針を摘まみやすく、さっと取り出せます。また見た目より重量があり、摘まんだ時、台が動かないので、よく考えて作ってあるなと感心させられます(但し、針と針の距離が近いとくっつくので、あまりたくさんの針は置けません。その時にメインに使う針3本までにしています。)。下に針ケースがついています。
僕は針置きに小さい針、小さい針ケースに中サイズの針、大きい針ケースに大きなサイズの針を入れてあるので、針を探す手間が大幅に縮小されました。