ぬいぐるみの入門書

自分が、テディベア/ぬいぐるみの世界に入っていくきっかけとなったのが、夜想(YASO)の「ぬいぐるみ」特集(2012年発刊)を、新宿紀伊国屋本店の芸術書コーナーで、ふと気まぐれに手に取った時です。

それまで、全くぬいぐるみには興味がなかったのですが、陶器で動物を作り始めていた頃で、夜想が、丁度陶芸に関する書籍の隣に並んでいたため、目に入り、ぬいぐるみの造形が、陶器制作のヒントになるかも、と思ったからです。

まず、表紙のhippie cocoさんの、ふざけた犬に「これは一体何??」。

パラパラとめくるうちに、想像力の塊をぶつけられたようで、激しいショックを感じました。今まで自分の頭の中にあったぬいぐるみとは全くことなり、掲載された作品の半分以上が、可愛いと言うより、奇妙な、変ちくりんな、怪しげなムードが漂っていて、「今はこんなものがぬいぐるみと呼ばれているんだ、こんなのが作りたい!」と思いました。

これを見たときは、テディベア/ぬいぐるみ作家に対する知識ゼロだったので、早々たる個性派人気作家がセレクトされているとも知らず、本を買った後、その場で、スマホで調べ、直ぐに伊勢丹のテディベアコーナー(残念ながら今はありません。)にいったのですが、ここには、従来の自分の常識の範囲内のテディベアが並んでいて、その落差に再び驚いたのを覚えています。

多少の知識がついた後で、この特集に掲載された人達の大半が、テディベア/ぬいぐるみ作家の中でも、群を抜いて個性的であったことを知らされましたが、最初の出会いがこの本であったことは、実に幸運でした。

果たして、この本に出合わなければ、ぬいぐるみを好きになっていたかどうか。

その後しばらくは、この本に掲載された作家の作品(作家さん本人も含め)に出会う度に、「夜想に出ていた作家の作品に出会えた」、と感激していました。

有難いことに、一旦、この夜想のぬいぐるみ特集を見てしまったことで、完全にぬいぐるみの面白さにハマってしまい、その後の作品制作に大きく影響していったのです。

 

 

小さな参加者

こんなに可愛くできました。
こんなに可愛くできました。

昨日、326日、当ワークショップに小学生と、幼稚園児の兄弟が参加しました。お兄ちゃんが今度小学5年生、妹さんが今度小学1年生です。

i-ppo handmade」としては、初の子供さんの参加になります。

コース内容は、僕の方からお願いして、一番難易度の低い、B-1の「モコモコ動物人形」にしてもらいました。

実は、イベントで配るワークショップのチラシでは、小学4年生以上対象としているのですが、僕が会員になっている陶芸教室の「マダン陶房」で、幼稚園児が体験教室に参加しているのを傍で何度も見ており、是非やってみたいな、と思っていました。

参加の申し込みがあった時、お母さんがバックアップすることを条件に、これはチャンスとばかり、即お引き受けしました。

動物を作る場合、大人なら茶系を中心に、それらしい色を選ぶのですが、小さな子は発想が自由で、お兄ちゃんが緑色のネコ、妹さんが、空色のクマを選びました(アクリル絵具で、自ら着色しました。)。

手さばきも大胆で、こちらがハラハラしつつも、小さな部分にはあまり気にしないので、やり直す部分も殆どなく、ドンドン先に進みました。

お母さんがお兄ちゃん、僕が妹さんのバックアップをしたのですが、果たして時間内に完成するのかという心配は、全くの杞憂で、むしろ、大人より短い時間での完成です。

時々、僕のアドバイスに対して、妹さんは、大人顔負けの適格な返答をするので、これは侮れないな、と何度も思いました。

しかも、お兄ちゃんより先に完成したものだから大喜びで、「そらくまちゃん」と名前をつけ、完成したクマを手に走り回っていました。お兄ちゃんの方も、とても個性的な顔のネコ(緑の顔に、鼻が黄緑!)ができて、本人も満足しているようでした。

「ああ、子供に教えるのは、本当に楽しいな」「もっと子供を対象にしたワークショップをやりたいな」と終わってから、つくづく思った次第です。

勿論、終わった後は、大人対象のワークショップより、はるかに疲れましたが。

 

 

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ジャパンテディベアフェスタの感想2

i-ppoたおか 田岡正臣 経堂 東京 テディベア ぬいぐるみ教室
会場にて

前回に続き、「ジャパンテディベアフェスティバル2017」のレポートです。

12月のブログで、ドール系と他のイベントを比較しましたが、今回は、テディベア系と他のイベントを比較してみます。

まず、自分が観察したところ、今回のイベントは、テディベアのコレクターと、実際自分でもテディベアを作っている人が、コアな客層だと思います(まあ、当たり前の話ですが。)。

次に多いのが、人形・ぬいぐるみ全般が好きな人。また、可愛いものが好き、という人。この層は、ドール系と被ります。後、近隣に住む方、友人の出展を見にきた方が少々。これらの方は、あらゆるイベントにいます。

正確にはわかりませんが、コアな層が、お客さんの半分くらいはいるのでは、と思っています。

でも、ドール系ほど、コアな人の好みの裾野は広くなく、一定の範囲内に収まっているので、特定の作家さんに人気が集中する傾向にあると思います。ドール系のコア層は、殆ど相いれないくらい様々なバリエーションに分かれているような気がします。

また、コアな層の数は、ドール系に比べて、かなり少ないと思います(ドール系イベントにはぬいぐるみ・テディベアの作家が結構侵食していますが、今回は逆パターン、ドール系の作家の出展が極めて少ないことに、気づきました。)。また、ドール系のように、客層で尖がった人も少なく、痛々しい人や、真正のオタクも少数派だと思います。

今回初めて、テディベアイベントに出展して、デザインフェスタやドール系イベントと比べて、自分の作品の売れ筋の違いも、はっきりとわかりました。

僕は、色々な素材を使っていますが、石粉粘土や、磁器(ビスク)のように、仕上がりがツルツルしたものは、今回、比較的スルーされる傾向にありました。

コアなお客さんは、モコモコ、フワフワしたものに、特に興味を示すようです。

羊毛シートで作ったものが、予想を超えて評判がよかったのが、嬉しい誤算でした。

しかし、会場の他の出展者のテディベア作品を見て、そのレベルの高さと個性に改めて感心し、自分が作る、モヘアのベアに関しては、まだまだアピールポンとが足りないな、と痛感しました。

また、昨年の11月~12月に出展した、デザインフェスタとアニマルワンダーランドでは、殆どスルーされた、「しっぽで立つ人形(ワークショップでもやっています。)」が今回うってかわって好評で、持って行った作品がそこそこ売れました。

デザインフェスタ、アニマルワンダーランドに出展した作品と同じものを持って行きましたので、これに関しては、未だに何故だか理解できないでいます(たまたま今回だけ?)。

 

今後何回か出展するうちに、謎が解明されるでしょう。

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ジャパンテディベアフェスタの感想1

318~19日にわたり、恵比寿において開催された、「ジャパンテディベアフェスティバル2017」が無事終了しました。

今自宅に帰り、この文を書いています。

今回参加した感想を、じっくりと、2回にわたってお伝えしたいと思います。

準備は、開催前日の17日の午後に行いましたが、結構な人が当日の朝に準備していました。

でも、初めて参加する人は、前日に準備した方がいいと思います。

初日は大変な賑わいで、1~2時頃がピークでした。

プレオープン(通常開催の1時間前に入場できるが、別途プレ入場券が必要。)入場者は意外に少なかったのですが、案の定、お目当ての人気作家さんのところに突進していきました。

プレオープンでは、来た人順に整理券を配っているのですが、人気作家さんは、抽選で購入者を決める人が多く、1番先に入っても、必ず買えるとは限らないようです。

抽選会が終わった後は、作品がひとつも残っていない、という方が、何名かいらっしゃいました。常連さんによると、この方々は、お客さんが迷わないよう、展示スペースも毎年決まっているとのこと。

1日目の終わりごろには、10名前後の作家さんが、ほぼ作品を売り切っていましたので、この方々の作品を見たい、買いたい、という人は、やはり初日の午前中に行くべきでしょう。

これに関しては、ドール系やハンドメイド系も同じですね。

2日目は、ガクッとお客さんが減りますので、ゆっくり見たい、落ち着いて作家さんと話したい、交流したい、という人は、2日目に行きましょう。

2日とも来ている人がいるのに気づきましたが、1日目と2日目を使い分けているのでしょうか。

出展者側にいると、色々なことに気づかされます。

まず、家族連れは、2日目の方が断然多いですね。やはり、ゆっくり鑑賞したい、ということでしょう。鞄に何体も買ったベアをのぞかせているマニアックな人は2日目には少ないようです(ドール系のように、極端にマニアックな雰囲気の人は少ないですが。)。

カップルで来ている若い男女が意外と多いのは、デザインフェスタと似ていますが、全体的な客層の雰囲気は、ドール系やハンドメイド系より落ち着いた感じだと思います。

「写真を撮っていいですか」という人は、まず買わない、じっくり見ない、というのは、他の展示会と共通することですね(写真を撮るのが目的になっている?)。

 

次回は、僕が個人的に感じた、他のイベントと比べた、お客さんの反応の違いを書いていきます。

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作品の幅について

i-ppoたおか 田岡正臣 経堂 東京 テディベア
きつねくん 染色しました。

個人的意見ですが、ジャックニコルソンと高倉健の共通項というは、どんな役を演じても、本人の個性が抜け出てくるところ。

よく言えば、演技が極めて個性的、悪く言えば、ワンパターン。

アート系の作家、ハンドメイドの作家でも、作者の名が明かされていない場合、その当人の作だとすぐわかる作家と、なかなかわからない作家がいます。

作者の名を明らかにすると、「この人はこんな作品も作るのか」と思わせる人もいます。

悪く言えば、オリジナリティ、その人独自の個性が定まっていないのですが、良く言えば、意外性があり、驚きがあり、観る者を飽きさせない。

さて、どちらがいいか。

もちろん、理想的には両者のバランスが取れていることなのですが、どちらか良いか、選択せよ、といわれれば悩みます。

テクニックより、オリジナリティや個性を重視することは、このブログにも何度も書いていますが、これはまた別の話。

ピカソ(これほどの天才は、今後もそうそう現れないでしょうが。)のように時代が変わるごとに、画風が変わる画家も素晴らしいと思う反面、ルソーのように、延々と同じスタイルで描き続ける人も素晴らしい。

でも、画家の作品展に行くと、巨匠と言われる人でも、世に認められるまでは、様々なスタイルを試しています。自分のスタイルが定まっていないのですね。

以前観たドキュメンタリー映画で、贋作の画家が、数多くの世界の巨匠といわれる人の絵を本物そっくりに描きわけていました。この人は、他人のスタイルを盗むことに才能がたけていた、という訳です。

なぜこんなことを書くかというと、Instagramにアップした自分の作品(ついに150点を超えました。)をざっと眺めると、作風が定まっているようには見えないから。

 これがどうも、良いこととは思えないのです。

素材をあれこれ使い分けているから、というのも理由の一つですが、強烈な個性とオリジナリティがない、ともいえる?

「テクニックより、オリジナリティや個性が大切」と言っている当人の作品に一貫性がないのは、言動不一致では、という思いもあります。

どうも、その場その場で、感銘した他人の作風に影響を受けて、ふらふらしているような気がします(意図的にはやっていません。)。

作品の幅を広げるのは、まず自分の確固たる作風が定まってから。

 今後は、これこそ「i-ppoたおか」の作品だ、と言えるような作風を固めていきたい、と思います。

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テディベアフェスタの準備

i-ppoたおか 田岡正臣 経堂 東京 テディベア ハンドメイド 粘土
箱入り娘に息子達

いよいよ、ジャパンテディベアが主宰する「JAPAN TEDDY BEAR FESTIYAL 2017」の開催(318~19日)まで、後1週間となりました。開催場所は、恵比寿ガーデンプレイス内のガーデンホールです。

今、出展準備の真最中ですが、実は、テディベア系のイベントは、今回が初めて。

夏には、日本テディベアが主宰する「日本テディベアwith Friendsコンベンション」にも出展が決まっているので、1年で2大イベントの両方に参加できるなんて、大変ラッキーです。

両主催者にはお叱りを受けるかもしれませんが、ここだけの話、自分自身をテディベア作家だとは思っていません。

テディベアは大好きですが、「造形作家」「人形作家」「ぬいぐるみ作家」と言われれば、まあそうかもしれない、と思いますが、テディベア制作に関しては、表現の一手段だと思っています。

テディベアの世界は、かなり前から、制作手法が確立されており、伝統もあり、目の肥えた根強いファンも多いため、僕自身は、例えテディベアのイベントといえども、ベア1本で展示する勇気はとてもなく、少し情けないですが、「テディベアも出す」というスタイルになる予定です。

但し、他のイベントでは、メインで出展している陶人形は、さすがに場にそぐわないと思うので、今回は出展を控えることにしました。

それに替えて、磁器、またはラドールで作成した、頭手足が稼動する、テディベアスタイルのミニ人形を(全長約5~6cm)、数多く出展します。

これらが、コアなテディベアファンにどれだけ受け入れらえるか。どれだけのコメントを頂けるのか。

もう考えただけで、今からドキドキします(心配半分、期待半分。)

また、これも、頭手足が稼動する、テディベアスタイルなのですが、紙粘土+和紙+羊毛シートの人形(全長10~15cm)もソコソコの数出展し、テディベアファンの審判を仰ぎたいと思っています。

昨年は、8回のイベントに参加し、イベントのジャンル、種類ごとに、客層が異なり、受ける作品も変わってくることを実体験し、後半は、イベントに合わせた出展内容を考えるようになったのですが、今回は、ちょっと読めません。

いつも以上に、来週のイベントでは、行きかう人の目線や言動をじっくり観察して、テディベアファンの嗜好を、しっかりと理解したいな、と考えています。

 

昨年はドール系イベントに2回出展して、自分なりに色々と学びましたが、今年はテディベア系のイベントについても、しっかりと研究して、ドール系との違いが見極められれば良いな、と思っています。

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魂が宿る

人型(ひとがた)の人形は怖い、と言って、敬遠する人がいます。

「あの、自分を見透かしているような目が怖い」とかいうセリフを、何度か聞いたことがあります。

かくいう僕も、リアルな人型の人形は苦手な方です。中には、物凄く惹かれる作品もあるのですが、特に、ビスクドールや球体関節人形は、ずっと敬遠してきました(もちろん、人形全般に興味のない人と比べると、人型の人形にも、大いに興味があると言えるのですが。)。

でも、制作する人の気持ちは凄くよくわかります。

制作している段階で、少しずつ命が吹き込まれていくような、愛おしい気持ちがするのではないか、と思います。もう、わが子のように、愛でるように作るのではないか。

何故なら、自分が、デフォルメした、動物の人形やぬいぐるみを制作している時でさえ、魂が宿っていく感覚があるからです。僕はこの感覚を大切にするため、特に表情の作り込みに力を入れています。

この子は、今、物凄く怒っているのだ、困っているのだ、なごんでいるのだ、などと想像しながら作ります。ニヤニヤしながら作っていると、周囲から指摘されることもあります。

でも、動物の絵を描いている時は、この感覚はありません。

動物のブローチや、ペンダントを制作している時も、この感覚はないのですが、4cm位のものでも、立体的に作ると、不思議なもので、この命を吹き込んでいく感覚が出てきます。

いったんこの感覚を覚えると、もう不思議なくらい、作品が愛おしくなり、制作することが、面白くてしたかたがなくなります。

恐らく、長時間をかけて制作する、ビスクドールや球体関節人形は、自分が経験している比ではない、膨大な愛情を、作品に注ぐのではないか、と思われます。

ビスクドールや球体関節人形をつくる人は、手放したくない作品が沢山あるのだろうな、とかってに想像しています。

友人、知り合いにビスクドールや球体関節人形の作家さんがいないので、お知り合いになって、いちどじっくりとお話を伺いたいな、と思っています。

 

 

 

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染色について

このブログをスタートしたころ、ハンドメイドのお役立ち情報も提供していく、とアナウンスしたのですが、振り返ると、その手の情報は少ないようです。

これからは、積極的に役立つ情報も、載せていきたいな、と思います。

そこで今回は、モヘアの染色について、書いてみたいと思います。

テディベアやアニマルを作るとき、原則として、モヘアは染色します。

市販では、ない色を出すことを目標にしていますが、何度も繰り返すうちに、多少は思い通りの色に染まるようになりました。

使う染料は、ユザワヤなどで売っている、ダイオールです。ざっと手順を書きますと、

①よく染まるように、モヘアを洗って湿らせます。

②熱湯に入れて、染料を溶かします。自分の場合は、想定の色を目指して、単色では染めません。大体3色を混合します。

③お湯でうすめて、色落ちを防ぐため食酢を混ぜ、かき混ぜて、20~30分放置して、様子を見ます。

④染めが足りない場合、さらに数十分漬けるか、思うような色に染まっていない場合、新たに染料を加えます。

⑤陰干しします。乾いた時の色が思い通りでない場合、さらに染め直します。

そんなこと、他のサイトでも書いてあるよ、と思われた方、今回は、自分で考案した、グラデーションに染める方法をお教えします。

写真のモヘアは、キツネ用に染めたもの。地の色は、マスタード色がかかった銀色を出すために、銀のモヘアに、黄色の染料をベースに、ベージュを少々混ぜました。

そこに、キツネさん特有の、先端が黒っぽくなっていくグラデーションを染めで作りました。

方法は以下のとおり。

①まず、耳手足を縫っておきます。

②染めたい色を染料で作って、洗面器に深めに浸しておきます。

③洗面器に二本の棒を橋渡しして、洗濯バサミ(つまむところに穴が開いているものを用意する)を棒に通して、吊るします。

④耳手足をそれぞれ、左右から洗濯バサミではさみ、最初は薄めに染めたい部分まで、染料にどっぷりと漬けます。

⑤5~10分で、染料からだして、水洗いします。

⑥うっすら染まっているのを確認して、今度は先ほどより浅めに漬け、長めに10~20分漬けて、染料からだして、水洗いします。

これを必要な段階分繰り返すことで、グラデーションに染まります。はっきりとした境界線はでません。写真の場合は、3段階に染めました。読むと大変そうですが、意外と簡単です。

キツネを作る場合、違う色のモヘアを繋ぎ合わせているものが多いと思いますが、これなら1枚のモヘアで可能ですし、境界線がなくて、キレイですよ。

 

興味のある方、是非お試しあれ。

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