両方は選べない

冬は寒いねえ。お皿が凍りそうだよ。
冬は寒いねえ。お皿が凍りそうだよ。

ものを作って販売する上で、両立しないことは沢山有ります。

例えば、一般受けを狙うか、自分が納得するものに拘るか。

一作にタップリ時間をかけて高く売るか、程ほどの仕上げで沢山売るか。

明るい穏やかな雰囲気で作るか、ダークな雰囲気で作るか。

スタイリッシュでいくか、可愛いでいくか。

 

挙げ出したらたらキリがないくらい、沢山の並び立たない選択があります。まあ、大きく作るか小さく作るかの選択なら、作風を崩すことなく両方作れば良いのですが、作り手が持つ世界観・作風と矛盾するものが混ざっていると、購入する側を混乱させるだけです。

 

この点は自分でも理解しているのですが、えてして、他人の素晴らしい作品に出会うと、自分の選択を棚に上げて、スタイリッシュな作風はおしゃれでいいなあ、ダークな雰囲気は素敵だなあ、たっぷりと時間をかけて作った作品は見事だなあ、それに引き換え自分の作品は・・、と思ってしまう自分がいます。

 

 自分の方向性や嗜好を信じれば良いのですが、一時的に自分がなにを選んだのか忘れて反対側に憧れてしまうのです。

 過去、しばしばこれで自分が迷ってしまったので、時々振り返って、自分の選択は間違っていないか、自分に合っているのか、確認するようにしていますが。

 

 結局、「いいとこどり」は出来ないのに、「いいとこどり」をしたがるのは、強欲というものですが、それでも(不可能なのに)両方欲しい、両方やりたい、と思ってしまう自分が、時々顔を出すのです。

 

 自分のスタンスや作風を大幅に変えるのは、もの凄く勇気がいるしリスクが伴うので相当な覚悟が必要ですが、もし変えたとしても、しばらくしたら、前の方が良かったかも、と思ってしまいそうです。

 

 

 結局、作り続ける限り、自分は、迷っているのだろうな、という話でした。