先日、世田谷美術館で開催されていたグランマ・モーゼス展を観に行ってきました。
素朴で、とても癒やされる絵が多い展示会でした。
ご承知の方も多いと思いますが、ヴァーモント州郊外の農村風景を描き続けた、アメリカの国民的な画家です。
本名は、アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(1860~1961)といいますが、一般的にはグランマモーゼス(モーゼスおばあちゃん)で通っているようです。
この人の凄いところは、絵を描き始めたのが、75歳からだったこと。
78歳の時に、たまたまドラッグストアで売っていた自分の絵が、コレクターに発見され、翌年、ニューヨーク近代美術館の展覧会「現代の知られざるアメリカの画家たち」で紹介されて、これが画家としてのデビューとなるようです。80歳で初の個展、その後101歳まで描き続けて、大人気作家となった訳です。
今回実物を初めて観て、80歳から90歳まで、ドンドン絵が素晴らしくなっていく(個人的見解ですが)のを知って、大変な驚きを感じました。
何故なら、今まで数多くの画家の展示会を観てきた経験上、多くの画家は80歳辺りから、絵に衰えが感じられ、過去の作品の劣化的なトレースに陥っていったように思うので(もっと早く衰える人もいますね。)。
デビューが遅かったからというだけでは説明がつかないほど、特に、85歳から90歳辺りの作品は素敵でした。
正直な感想として、「年齢で限界を設けてはいけないな。」と思い、物作りをする身としては、大いに励まされました。
この気持ちを忘れないようにと、複写絵を買い、リビングに飾っています。
この展示会は、残念ながら、東京では2月27日で終了しますが、その後全国を巡回するようです。気になった方は、地元に来たときに是非観に行ってくださいね。
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