楽しさのバリエーション

のんびりー
のんびりー

「仕事が楽しい」という言い方があります。

でも、仕事が楽しい、というのが、どういうことか分からない、という人が時々いますが、遊んでいる時の楽しさとごっちゃにしているのではないか、と思います。

たぶん、過去を振りかって考えると、仕事の楽しさは、達成感の中にあるのでは、と個人的には思います。

自分としては、ハンドメイド作品の創作に熱中している楽しさと、旅行に行ったときに感じる楽しさ、映画を観ている時の楽しさ、友人と語り合っている時の楽しさは、それぞれ楽しさのポイントが異なるように感じます。

 言葉の定義は難しいのですが、「楽しい」って、どうやらプラスの感情(心地よい、ワクワクする、感動する、などなど)に満たされている=満足している時をもって、楽しいと表現するような気がします。

(楽(らく)と楽しいも違いますよね。楽は、苦しい状態が消えて、さらに深くリラックスしている状態を言うような気がします。ビーチで寝そべっていたり、温泉につかっているイメージでしょうか?)

でも、どんな人でも、24時間、365日楽しいというのはあり得ないと思います(付き合い始めた恋人など、一時的になら、あり得ると思いますが)。

 満足していない時、満たされていない時があるからこそ、満たされていることがわかる、と思いませんか?

ずっと満たされていることに対して、満たされているという感情はわかないと思います(五体満足であること、心身共に健康であることについて、健康な人、普段の人は楽しいとは思わない。)。

しかも、行動する楽しさには、スパイスとして苦も伴っていることが多い(というか殆どの場合、苦がある)と思います。

僕にとっては、まさに、創作の楽しみが、それにあたる、と思っています。

そして、大切なのは、苦が混ざった楽しみの方が、深く人生を味わえる、というではいでしょうか。(そう考えると、多少の生みの苦しみ、出来上がった作品の出来の悪さによる落ち込みは解消されますよね。)

 

さらに言えば、100人いれば、100通りの創作の楽しみがある、自分が創作から得られる楽しみと、他の人が感じでいる創作の楽しみはきっと違う、そんな風に思います。

0 コメント

包装について

今後のイベント出展について、改善していかなければいけないことは、沢山ありますが、作品をどのように包装して、購入してくれた方にお渡しするか、という問題があります。

正直に告白すると、自分自身は買ったものがどのような包装であれ、作品自体に影響はない、と思っているので、包装はエコの点から考えても、最低限で良い、という立場をとっていました。

ところが様々なイベントに出展し、周囲の出展者の包装を観察していると、どうやら自分がとっている立場は少数派らしい、と気づいてきました。

テディベア、人形、ぬいぐるみを販売している方々は、圧倒的に包装まで気を配って、自分のオリジナリティを意識している方が多いのです。

以前ブログで、女性は男性より、細部まで気配りが行き届いている、ということを書きましたが、女性の方で、特に作品が繊細な作りの方は、包装紙や、袋にもその人のセンスが行き届いており、シールまで拘っているのに驚かされます。

おそらく、その方は、お渡しするまでのすべてが、作品の一部と考えているのでしょう。

以前、男性作家で、レジ袋のようなものに、無造作にポンと作品を入れていたのにはさすがに逆の意味で驚かされましたが、自分は、無地の市販の紙袋(大きい作品は無地の手提げ袋)に入れています。シールはなし。必要な場合はセロテープです。

個人的には、買って頂いたお客様にお渡しするのに失礼のない範囲内だと考えていますが、素っ気ないのも事実です。

(男性でも、雅太郎玩具店の坂井さんは、ご自分でとても丁寧な作りの、素敵なテディベア用の箱を作っていますが、自分にはとても真似出来ない芸当に思えます。)

今は、現状を突き進むか、改良を加えていくか、(エネルギーは別のところに使いたい、という意味で)すこし選択に迷っているところです。

 

 

 

椅子職人に出会う

今日、流通センターで開催された第50回「IDOLL」に出展しました。

このイベンド、今回が2回目、お陰様で、ワークショップでご紹介したちびクマ達が、大変好評でした(お買い上げいただいた方のうちお二人に、早々にクマ達をご自分のインスタのページにアップして頂けたのが、とても嬉しかったです。)。

但し、ドール系のイベントですから、モヘアのテディベアもブローチ類も見向きもされませんでした。

ちびクマ達は、お人形のお供として買って頂いたのだと思います。

さて、今回は、お隣のブースのドール用の椅子を展示していた方のお話をさせて頂きます。

この方、ブランド名を「うっどぺっかぁ」といいますが、御年75歳で、溌剌としていました。

お伺いしたところ、この道20年とのこと。

50歳の頃脱サラで事業を始めたのですが、若い頃より趣味で木工の帆船を作っていたそうです。

サイドビジネスで55歳頃より、6分の1サイズの家具を創り、百貨店などのイベントで販売を始めたそうなのですが、さっぱり売れなくてやめようかと思っていたところ、お客さんから、人形用の椅子を作ってドールの展示会に出すときっと売れるよ、と言われ、試しに出してみたところ、百貨店の何倍も売れ、「これはいける」、と思い、脱サラで始めた本業をやめて、依頼20年この道一筋といっていました。

「本物のサイズに拡大しても、見劣りのしない作りにしている」とおっしゃるだけあって、その創りは見事でした。まさに、椅子職人です。全体が、組み木で出来ており、確かに精巧な作りですが、驚いたことに人形には全く興味がないとのこと。

自分はてっきり、ドールイベントに人形用のツールを出展している方は人形好きな方ばかりかと思っていました。

また、今回、なにより感激したのは、この方が、「80歳まで出展し続ける。」と言われていたこと。

アドバイスとして、「とにかく継続すること。」という言葉も頂きました。

長く続けることで、ジワジワとFANが増え、少しずつ売れるようになるから、とにかく続けなさい、と言われました。

僕は、勝手に、70歳を少し過ぎれば、気力体力も減退し、創作意欲がなくなるだろうと思っていたのですが、この方のお陰で、物凄く勇気つけられました。

これらの言葉が、今回のイベントの最大の収穫です。

 

 

質感について

i-ppoたおか 田岡正臣 経堂 東京 テディベア
なかよし4人組

作品を作る場合、デザイン、絵柄やモチーフも大切ですが、それと同じくらい大切なものに、質感があります。

(テディベアでも、モヘアとウール、ビスコース、アルパカでは、それぞれに質感が異なりますが、素材にさらに加工を加え、他にはない、オンリーワンの質感を出そうと試みる人がいます。)

数回前のブログで、7月に布博に行ったことをお伝えしましたが、その時に併設されていた「ブローチ展」でそれを痛切に感じました。僕が和紙を重ねて作品を創るのも、独特の質感を出したい、という結果生まれたものです。

このブローチ展では、56割が陶器製だったのですが、自分も、結構な年月陶器を作ってきたのに関わらず、一体これは、どのように工夫して、この特異な質感を出しているのだろう、という、制作過程が想像できない作品も少なからずありました。

おそらく、そこに至るまで、相当な試行錯誤があったと思われます。

もうこうなれば、作品としては、ずば抜けた個性を発揮していると言えるのですが、得てして、そういう作品に限って、デザインや絵柄が凡庸なことが多いようです。

想像するに、デザインや絵柄に自信が持てないので、質感を出すことに全力を注いだ、ということなのでしょうか。あるいは逆に、デザインや絵柄が魅力的な人は、素材の質感に拘らなくても、充分人を引き付けることが出来るので、質感を生み出す苦労はしない、とも言えます。

さらに言えば、失敗を重ねて独自の質感を生み出した結果、精根尽き果てて、その他の部分にエネルギーを注ぐ余裕がなくなった、という見方もできますが。

いずれにせよ、デザイン・絵柄と質感は、「クラフトかアート」という命題のように、トレードオフの関係にはないので、充分両立出来るものなので、(自分も含め)質感に拘る姿勢は、すべてのハンドメイド作家に大切な事だと思っています。

しかしながら、新しい質感が生まれるのは、(偶然にできる場合もあると思いますが)、長い道のりの末に、ようやく辿りつく場合が殆どだと思います。

 

 

0 コメント

海外作家紹介 therabbitsprojekt

久々に好きな海外作家を紹介します。

therabbitsprojekt(ラビットプロジェクト)。タイの人形作家で、つい数か月前に、インスタで知りました。

ネットで調べても、あまり情報がなく、etsy(世界的なマーケットプレイス)に作品を出展していることがわかる位で、googleで画像検索しても、数多く作品がヒットすることはありません。どうやら、これからの作家のようです。

個人的には、その独特の世界観に、一目みた時からお気に入り作家になり、インスタで次回作がアップされるのを楽しみにしています。

今までこのブログで紹介した他の作家さんは、そのスタイルが完成の域に達している人達でしたが、この方の投稿数は451と多いものの、フォロワーは2000人の手前で、認知度はまだまだのようです(世界レベルで見渡すと、数十万人のフォロワーがいる作家も大勢います。)。

etsyに出展したのも、昨年からで、インスタの最初の投稿が20164月です。

まだ、1年と少し経過しただけで、僕としてはかなりの先物買いですが、この方、最初の頃に比べて、格段に世界観が統一されて来ており、恐らくかなり若い作家さんなのでは、と想像しています。

自分自身のことを振り返ると、なかなか短期間で、変化、進化するのは難しく、これは羨ましい限りです。

この方は、最初の頃は動物のブローチだけをアップしていましたが、どこにでもあるような、ブローチで、個性を発揮してはいなかったのに、9カ月経過して、昨年の12月に突然、現在の人形スタイルが出てくるのですが、このスタイルになって、まだ1年が経過していないことを考えると、将来恐るべし、という感じです。

(僕がネット上で見ても、まだまだ改善の余地が感じられる位ですから、相当のびしろのある方ではないかな、と思っています。)

人形に着せる服も、次第に洗練され、人形の愛らしさと、スタイリッシュな服装のアンマッチ感が、独特の雰囲気を醸し出しています。

まだ、あまり知られていない(恐らく本国のタイでも知られていないでしょう)作家を発掘するのも、なかなか楽しいもので、そっと秘密にしておきたいという思いもありますが、このブログで一人でも多くの方に知ってもらいたい、という応援する気持ちもあり、結局ここで紹介することにしました。

興味を持たれた方は、インスタで検索してみてください。

 

 

日本のテディベア作家100人

ここに、「日本のテディベア作家100人」という本があります。

1997年、今から20年前に発行された本で、当時日本国内で活躍されていた、代表的なテディベア作家100人を見開きで、左にその方のプロフィールとコメント、右側にその方の作品の写真が掲載されています。

新刊としては、本屋に並んでいませんが、僕はたまたま、BOKKOFFで、定価の半額で購入したのですが、ネットでも流通しており、読もうと思えば手に入る本です。

 この本を見ると、20年の重みを感じます。半数以上、全く知らない方々が掲載されています。

テディベアの世界は、作り手も、FANも限定された、とても狭い世界ですが、それでも20年も経過すると、大変な様変わりをしています。

まず、掲載された100人のうち、今年の国際フォーラムのコンベンションに出展された方は8名(数え間違いはご勘弁)。

予想以上に少ない数です。もちろん、この100人の中に、僕が知っているベア作家さんで、コンベンションに出展しなかったけれど、精力的に活躍されている著名な方もいます。

しかし、それはごく少数なので、それ以外の作家さんについて、ネットでお名前を検索したら、全くヒットしない方が、数多くいらっしゃいました。

ヒットしても、その活動は細々といった方が殆どで、現在のテディベア作家100人を選ぶとすると、ガラリと入れ替わっているのがわかります。

20年前、「生涯創り続けます」とコメントした方が、全くネットでヒットしないとなると、何か事情があって、創ることを断念したのだろうか、と思ってしまいます。

でも、本当のところは、20年同じフィールドで、飽きられないで活躍するのがもの凄く難しい、ということなのではないでしょうか。

その証拠らしきものとして気づいたのですが、現在もトップクラスの、数名の作家さん(敢えて名は伏せます。)の20年前の作品が、現在とは全く異なり、まるで別の作家の作品にみえることです。

常に創意工夫をこらし、変身されたのでは、と思い、敬服します。

 

どんな世界でも、一時の人気に安心して自己改革をしていかないと、忘れられてしまう、ということでしょうか。この世界も、人気稼業なので、芸人さんの世界に似ているのかも。

布博に行く

先日の日曜日、72930日に町田で開催されていた第9回「布博」に行ってきました。

町田駅から降りてすぐの、町田パリオの3階と4階で開催されていました。

1カ月前に、友人のデザイナーさんに教えてもらったのですが、このイベントの存在はつい最近まで全く知りませんでした。

全国のテキスタイル関連のデザイナーさん達が数多く集まり、様々なプリント生地やそれを使用したバック、ポーチなどを使用した作品を展示していました。

こんな専門性に特化された展示会が開催されていることに、まず驚ろかされました。

刺繍を施された作品も数多く展示されており、個人的には動物柄がほどこされた刺繍作品が、一番インパクトがあり、刺激を受けました。

今まで色々な展示会に行きましたが、布地中心というのは初めてで、とても新鮮でした(男性客は、奥さんや彼女に連れられてきた人がチラホラいた程度で、男性単独のお客さんは殆どいなかったみたいです。)

布地を使ってハンドメイド作品を作っている方は、是非ともいくべき展示会ではないでしょうか。

この展示会、なんと20132から開催されており、今年で5を迎えるそうです。主催は、「⼿紙社」で、前回は、20173月に調布で開催されています。

スタッフに、次の開催はいつかを尋ねましたが、現時点で未定、とのことで、出展者も、主催者側がセレクトし、一般公募はしていないとのこと。今後も不定期で開催されるようです。

同時に「ブローチ博」も開催されており、こちらも、質の高いハンドメイドのブローチ作品が展示されており、大いに感動しました(特に陶器製の作品が目立ちました。)。

ハンドメイド系の展示会については、主たるものは殆ど知っているつもりでしたが、こんな大規模な展示会を今まで知らなかったということは、自分が知らない面白い展示会が、まだまだ外にも沢山あるのではないか、と思い、何だかワクワクしました。

(実は、昨日、幕張で年2回行われている「ワンダーフェスティバル」の存在も、初めて知りました。この調子でいくと、まだまだ未知の展示会があるようです。)

 

 

0 コメント